今回は「大豆の魅力と糖尿病リスク低下」について、こんな記事をご紹介いたします。
豆腐・納豆・みそ・しょうゆなど、日本食には欠かせない大豆。その栄養価の高さから「畑の肉」とも呼ばれ、世界中で研究されています。
「タンパク質」が豊富であることから、大豆を摂ると健康面にメリットがあることはみなさまもご存知ではないでしょうか。積極的に納豆を食べたり、豆乳を飲む方も多いですよね。
最近の研究によると、大豆には、さらに糖尿病リスクの低下にも効果があるという研究結果があるようです。今回は大豆の魅力にもう一歩踏み込んで、大豆の効果を研究結果とともにご紹介します。
米国のマサチューセッツ大学の研究で、イソフラボンを豊富に含む大豆食品を食べると、糖尿病と心臓病のリスクが減少することが明らかになりました。大豆によってコレステロールや血糖値が下がり、糖尿病の人では耐糖能異常の改善を期待できるそうです。
なぜなら、大豆イソフラボンが、インスリン感受性を媒介する重要な受容体である転写調節因子を活性化し、グルコースの取り込みを改善してくれるから。
また、日本人6万人を対象に行われた研究でも、肥満や閉経後の女性において2型糖尿病リスクが低下することが分かり、大豆イソフラボンがインスリン感受性を改善するためではないかと言われています。
それでは、「大豆」の魅力についてご紹介しましょう。冒頭でも述べたように、大豆は古くから親しまれ、日本食に欠かせない食材です。糖尿病・脂質異常症・がん・骨粗鬆症・更年期障害など、さまざまな症状を改善する作用があるとされています。
日本は、世界の中で長寿国として有名ですが、大豆をうまく食生活に取り入れてきたことが、平均寿命の長さに少なからず貢献しているのではないでしょうか。
大豆は「天然のサプリメント」といわれるほど栄養価が高いことが魅力ですが、栄養面で特に注目したいのが以下の4つです。
●タンパク質
「畑の肉」といわれるほど豆類の中でタンパク質の含有量がとても多く、さらにタンパク質の構成要素である「アミノ酸」の組合せが動物性タンパク質によく似ています。豆腐・納豆・煮豆・枝豆・おからなどの大豆食品は、優れたタンパク源であり、動物性タンパク質と組み合わせることにより、理想的なアミノ酸バランスになります。
また、大豆には体に良い「一価不飽和脂肪酸」や「多価不飽和脂肪酸」が含まれるため、食品の脂肪分をバランス良く調整でき、結果的に低脂肪・低カロリーのメニューを実現できるのです。
●イソフラボン
大豆にイソフラボンが含まれることはご存知の方が多いかと思いますが、イソフラボンにどんな効果があるかご存知でしたか?
イソフラボンは大豆胚芽に含まれるフラボノイドの一種で、女性ホルモン(エストロゲン)によく似た構造をしています。そのため骨粗鬆症の予防や更年期障害の軽減などに効果的とされています。
国立健康・栄養研究所の調査では、大豆イソフラボンを1日100mg、3ヵ月間摂取すると、血中総コレステロールと「悪玉コレステロール」とされているLDLコレステロールがそれぞれ平均3.9mg/dL、5.0mg/dL低下することが確認されています。
また、大豆を食べる人ほどがんの発症が少なく、イソフラボンが予防効果をもつことを示した研究が多く発表されています。40~59歳の女性約2万人を対象とした調査では、大豆・豆腐・油揚・納豆を毎日食べる女性では、乳がんの発症率が2割減ることが確認されています。
●カルシウム
豆腐にはカルシウムが豊富に含まれています。牛乳コップ1杯(200mL)には約220mgのカルシウムが含まれますが、木綿豆腐(100g)では93mgのカルシウムを摂ることができます。
●食物繊維
大豆の健康効果に着目し、新たな動きも生まれています。 「ビヨンド ミート」や「インポッシブル フーズ」などの米国の食品テクノロジー企業が、脂肪の多い牛肉や豚肉の代替として、大豆などの植物性食品を使用した商品を開発し、大きな話題になっているといいます。
「ビヨンド ミート」では、大豆やエンドウ豆などを主原料として、「本物の肉と同じ味の食品」を目指して代替肉を開発。植物だけを使用していますが、焼くと肉汁が滴り、匂いも肉そのものだそうです。肉を我慢するのではなく、しっかり肉を食べたつもりになれるのに健康に良いものがあれば夢のようですよね!
※引用元:糖尿病ネットワーク
「大豆」が糖尿病リスクを減少 コレステロールや血糖が下がる - 2019年10月16日
https://dm-net.co.jp/calendar/2019/029545.php
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