コラム
2019/03/05

【歯科医監修】赤ちゃんの歯をムシ歯菌から守るために、家族ができること

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生まれたての赤ちゃんはムシ歯菌ゼロ!

赤ちゃんのお口に生えてきたかわいい歯を見て「ムシ歯にしたくない…」と思うのは、家族みんなが願うことですよね。実は、生まれたての赤ちゃんのお口の中には、ムシ歯菌(ミュータンス菌)は存在しません。

では、このムシ歯菌ゼロの状態を、少しでも長くキープするにはどうすればいいのでしょうか?

教えてくださった先生

 
監修/宮本えり子(みやもと えりこ)
一般財団法人サンスター財団附属千里歯科診療所 所属。小児歯科出身。専門は小児歯科。子どもとその家族が生涯にわたって健康なお口を維持できるように、子育て経験を活かし、優しく丁寧な治療にあたる。

ムシ歯菌に感染する原因は家族?

Q.どうすれば、ムシ歯菌ゼロの状態をキープできますか?
A.生まれたての赤ちゃんはムシ歯菌ゼロですが、どんなに頑張っても3歳くらいになると「ゼロ」は難しいものです。ムシ歯予防のためにできるのは、できるだけムシ歯菌の数を少なくすることと、感染を遅らせることなんです。

実は、ムシ歯菌の感染源は一緒に生活する家族であることがほとんど。特に、普段から食事などで接することの多いお母さんによる母子感染が高いので気をつけて!まずはうっかりやってしまいがちな以下のポイントを押さえましょう。

1)口移しや噛み与え、スプーンやお箸の共有をやめる。フーフー冷ましもなるべくしない
2)お口へのキスなど、過度なスキンシップに気をつける

ただし、赤ちゃんのお世話が優先ですしコミュニケーションももちろん大切です。神経質になりすぎない程度に留意して下さい。

Q.ムシ歯菌の感染について、特に気をつける時期はありますか?
A.1歳半から2歳半くらいの時期になると歯が次々と生え揃ってきます。特に奥歯は溝が複雑なためムシ歯菌に感染しやすく、この時期は「感染の窓」といわれているほど。この時期を乗り切るには、歯が生え始める6~9ヶ月くらいのタイミングで、歯みがきの習慣をつけることが大切です。成長して少しずつ自分でできるようになっても、10歳までは仕上げみがきを必ずしてあげてくださいね。
また、うがいのコップの共有もムシ歯菌の感染の意外な盲点。お子さん専用のものを用意しておくことも忘れずに!

親はもちろん家族みんなでお口のケアを

Q.家族やまわりの人が心がけることはありますか?
A.ここまで「赤ちゃんにしてあげること」をお話してきましたが、最後にもうひとつ大切なことを。それは、お母さんやお父さん自身がしっかりお口のケアをすることです。両親のムシ歯菌が少なければ、それだけ赤ちゃんへの感染が少なくなるということを心に刻んでおきましょう。これは赤ちゃんに接する家族であれば、兄弟やおじいさん、おばあさんにもいえること。また、目に入れても痛くない思いで赤ちゃんと接しているおじいさん、おばあさんは、さきほど例にあげた口移しなども、知らないとついうっかりやってしまいがち。正しい知識を家族全員で共有して、赤ちゃんの大切な歯をムシ歯菌から守ってくださいね!

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