今回は、簡単に実践できそうな、こんな記事をご紹介します。
みなさんは「地中海食」をご存じでしょうか。「地中海食」とは、地中海沿岸の国に暮らす人たちの伝統的な食事スタイルをさし、新鮮な野菜と果物、魚介類、全粒穀類、オリーブオイルやくるみなどのナッツ類を中心に摂るといった特徴があります。
この地中海食は、おいしいだけではなく、さまざまな健康効果をもつことがこれまでに明らかになっており、その1つが地中海沿岸では、心筋梗塞などを発症する人が少ないということです。これは地中海沿岸の地域では、牛や豚などの赤身肉をあまり食べず、魚を多く食べる習慣があることから、魚に含まれる油の効果とみられています。
魚油には、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)などn-3系と呼ばれる多価不飽和脂肪酸が多く含まれており、過去の研究から、魚油には以下のような特徴があることがわかっています。
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・2型糖尿病患者が魚油を摂取すると、中性脂肪値が低下する
・魚油には抗炎症性の生理活性のある脂肪が含まれており、一度起こった炎症反応にブレーキをかけてもとの正常な状態に戻す作用がある
・魚油には血液凝固を防ぐ作用もあり、血液をサラサラの状態に保つ効果がある
・魚油を摂取すると、心筋梗塞や狭心症などの心血管疾患を予防できる
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今回紹介する研究は、スペイン在住の55~80歳の2型糖尿病の男女約3,600人を対象にした臨床試験です。研究では、参加者を以下3つのグループに分け、8種類のシーフードをどれだけ食べているかを5年間追跡し調査しました。
●低脂肪食を摂るグループ
●地中海食を摂るグループ
(植物性食品が中心で、赤身肉を控え、エクストラ・バージンのオリーブオイルを摂る)
●地中海食を摂るグループ
(オリーブオイルの代わりに1日30gのクルミ、ヘーゼルナッツ、アーモンドなどのナッツ類を摂る)
研究の結果、シーフードを多く食べている糖尿病患者は網膜症の発症が少ないことが明らかになりました。さらに詳しくみると、n-3系の多価不飽和脂肪酸を1日500mg摂取した人は、糖尿病網膜症の発症率が48%低下したそうです。この量は魚を週に2皿(サービング)摂取すると、摂ることができるそうです。
▼サービングについては以下をご覧ください。
http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/zissen_navi/balance/division.html
バルセロナのレッド バイオメディカル研究センターのアレックス サラ-ビラ氏は「シーフードを多く摂る食事は、魚油の摂取量を増やし、糖尿病網膜症の危険性を下げます。魚を毎日食べなければならないわけではなく、週に2回食べるだけで、魚油による予防効果を得られます」と言っています。
サラ-ビラ氏は、さらなる研究が必要としながらも、「魚を多く摂る地中海式ダイエットが、糖尿病網膜症などの合併症を予防するために効果的である可能性がある」と述べています。
ただし、サプリメントでも同じ効果があるかどうかは今回の研究からは不明だそうです。
毎日魚を食べるのは難しいかもしれませんが、週に2回なら続けられそうですね。私ももう少し魚を食べる機会を増やそうと思います☆
※引用元:糖尿病ネットワーク
魚を食べると糖尿病網膜症のリスクが低下 週に2回食べると効果的 - 2016年08月25日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2016/025864.php
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