*本投稿は、あくまで、みなさんの日常生活の知恵として参考にしていただければ幸いです。
また成分や製品を評価するものではござません。
治療などでお悩みの方は、歯科医にご相談して頂きますようお願いします。
治療などについて、ご質問がされた際、回答いたしかねますので、ご了承くださいませ。
皆様、歯が溶ける酸蝕歯(さんしょくし)について聞いたことがありますか?
近年問題視されています。先日のクエン酸の投稿で簡単に紹介しました。
今回は、酸蝕歯について、紹介していきたいと思います。
①:酸蝕歯とその現状について
酸蝕歯とは、飲食物に含まれる「酸」によって、歯の表面が溶けてしまっている状態です。
エナメル質が弱くなろ、歯に染みるなどの知覚過敏の症状が出ることもあると言われています。
歯周病、虫歯に次ぐ、「第三の歯科疾患」とも呼ばれています。
私は10年ぐらい前に以下のニュースを見ました。
東京在住の15歳から80歳までの約1100人を対象に調査が行われました。
その結果、酸蝕歯がある人の割合は26.1%、約4人に1人が酸蝕歯になっているという結果が示されました。
とても恐ろしいと思いました。
②:歯の構造
表面からエナメル質、象牙質、歯髄の三層で歯は構成されます。
・エナメル質:一番硬い組織です。
・象牙質:エナメル質よりも柔らかく虫歯になると広がりやすい部分です。
・歯髄:神経や血管が通っている部分です。
③:酸蝕歯の症状
様々な症状があります。
・冷たいものや熱いものを口にすると歯がしみる→知覚過敏が発生しやすくなる。
・歯が一部透けて見える
・歯の表面に小さなへこみが見られる
*知覚過敏:むし歯もなくても、冷たいものやハブラシの刺激がしみたり痛くなる状態。
酸蝕歯以外にも原因になることもあります。
④:酸蝕歯の原因
④-1:酸蝕歯につながる飲食物
・エナメル質は、酸性度を示すpHの値が約5.5以下になると、溶けやすくなります。
→酸性度の高い飲み物等は気を付けてましょう。
→梅干し(pH=約2.0)、コーラー(pH=約2.2)、レモン(pH=約2.1)、みかん(pH=約3.2)
白ワイン(pH=約3.0~3.3)、赤ワイン(pH=約3.3~3.6)、スポーツドリンク(pH=約3.5)など
*白ワイン、赤ワインについては、平均的な数値で記載しています。
④-2:酸蝕歯の原因となる病気
胃食道逆流症など胃や食道の病気
→胃酸が逆流する状態が続くと、口の中が酸性に傾きます。酸蝕歯になりやすくなると言われています。
⑤:今日からできる酸蝕歯の対策
・酸性度の高い飲食物などを長時間、口の中にためない。また繰り返しやダラダラ飲むのを避ける。
→飲んだ後は水でしっかりうがいをする。
・酸性度の強いものを飲んだり食べたら、すぐ歯磨きをしない。(*特にクエン酸を含む飲食物)
→エナメル質が柔らかくなっているため。
・スポーツ後や就寝前は、酸性度の高い飲食物を控える。
→スポーツ後は唾液の分泌量が少なくなるため。
→お茶系(pH=約6.2)や水(pH=約6.9)だと問題ないかと言われています。
などですかね。
以上です。
酸蝕歯についていかがでしょうか。
歯を守る工夫をしながら、梅干し、黒酢などの酢、レモンなどの柑橘類のクエン酸などを取っていきましょう。
知覚過敏と虫歯の原因となりうるジュースのpHについては、また投稿を考えています。
それでは、また次回の投稿でお会いしましょう。
2023/09/26