コラム
2020/04/16

自分に自信がつく、髪との付き合い方

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『女は、髪と、生きていく』(幻冬舎)の著者であり、ヘアライターの佐藤友美さん。「髪には人生を変える力がある」と語る佐藤さんに、髪でなりたい自分になる方法をお聞きしました。

 
佐藤友美(さとう ゆみ)
1976年、北海道知床半島生まれ。20年弱のヘアライター人生で、約4万人、200万カットのヘアスタイル撮影に立ち会う。「美容師以上に髪の見せ方を知っている」とプロも認める存在で、国内外で美容師向けの講演を行い、セミナーを受けた美容師はのべ3万人を超える。
近著は『女は、髪と、生きていく』(幻冬舎)。
https://www.gentosha.jp/series/onnawakamitoikiteiku/

なぜ、メイクやファッションより、髪を最優先すべきか

 
『女は、髪と、生きていく』を読んで、一番衝撃だったのは、「女性の印象を決めるのは、ファッションやメイクやダイエットなどより、『髪』だということです。読んでみると、たしかに納得でした。
右
髪は、顔の中でいちばん面積が広い部分。まつ毛や眉毛などよりもずっと大きな面積を占めるので、人の印象を大きく左右するんです。
なるほど。髪型や髪色を変えると、別人のようになったりしますものね。
右
はい。顔を変えることはできないけれど、髪は自分で選べますよね。その分、その人の意志が宿りやすい部分ともいえます。
自分が思っている以上に、自分を表している部分なんですね。
右
たとえばメイクってあまり男性の印象に残らないといわれていますが、髪がきれいな人は記憶に残りやすいです。特に年齢が上がるほど、髪が重要です。40歳を過ぎてからの同窓会は、髪次第で「下剋上」もあり得ますよ!

自分にぴったりくる髪型を見つけるには?

本の中で、外面と内面を一致させるために「心に似合う髪型」を見つけることが大切、と書かれていましたね。
右
「似合う髪型」と「心に似合う髪型」は違います。他人から見ればすごく似合っている髪型なのに、気に入らない、という人が多いですが、それは心に似合っていないからなんですよ。
たしかに、そういうこと、よくありますね。
右
どういうイメージで見られたいかというのを、美容師さんにしっかり伝えることが重要なんです。同じボブにするのでも、切り方によってまったく印象が変わりますから。
単に、これくらいの長さに切ってください、ではダメなんですね。
右
前下がりのボブならクールで仕事ができそうな感じに、まっすぐに切ればかわいらしくなど、自分の内面に合うイメージを伝えないといけません。
自分がどんなイメージになりたいか、わからない時はどうすれば良いでしょうか?
右
「自分がこんな言葉で形容される自分になりたい」という言葉を20個、紙に書き出してみましょう。そしてそのうち、自分にとって特に優先順位の高い言葉を3つ選んでください。次に、なぜその言葉で形容されたいのか、理由を考えてみてください。
言葉にすることで頭の中がかなり整理されて、イメージが浮き彫りになってきますね。
右
私はこの作業を「気持ちの棚卸し」と呼んでいます。本当の意味で似合う髪型を手に入れるためには、自分がどんな自分になりたいかを探ることが不可欠なのです。髪型探しは自分探し。時間はかかるかもしれませんが、ぜひやってみてください。

自分にあった美容師さんに出会う方法

「気持ちの棚卸し」ができたら、書き出した言葉を美容師さんに伝えるんですよね。美容師さんはどのように選べばいいんでしょうか。
右
自分の周りにいる友人や先輩などで、髪型が素敵な人やセンスがいい人に紹介してもらうのが間違いないと思います。
たしかに、「センスがいい」と自分が思うということは、感覚が近いということでもありますね。
右
しかも、紹介のお客様は美容師さんも気合が入るし、割引などもあることが多いんです。
たしかにそうですね。
右
大事なことは、「美容室」でなく「美容師」さんを紹介してもらうことです。同じ美容室にいても、美容師さんはまったく違いますからね。
紹介してもらって行ってみて、もしイマイチだな、と思ったら、すぐにまたほかのところに行っても良いんでしょうか。
右
よほどその美容師さんが嫌でなければ、3回目までは通ったほうがいいですね。なぜなら、3回目くらいまでは前の美容師さんのハサミが入っていて、修正できず、100%の実力を出し切れない場合もあるからです。
男性の場合も、女性と同じように髪型が印象を左右するのでしょうか。
右
もちろんです。むしろ男性のほうが、メイクをしないし服装のバリエーションも少ない分、髪型でほぼ印象が決まるため、髪型選びは女性以上に重要。目指すイメージが「落ち着いていて大人っぽい」なのか「フレッシュで若々しい」なのか「責任感がある感じ」なのか、美容師さんにしっかり伝えることが重要です。

自分でできる簡単ヘアケア術

髪を美しく見せるために、何か自分でできることはありますか?
右
まずシャンプーは自分で選ばないほうがいいです。なぜなら、シャンプーほど髪質によって合う、合わないが激しい商品もないから。また、その時の髪型や髪色によっても合うシャンプーは違ってきます。確実なのは、美容師さんに、どういう系統のシャンプーが合うかを聞くことです。
でもそうすると、そこで買わないと悪いですよね…。
右
いいえ、別にその美容室で買わなくてもいいんです。自分判断で買わず、美容師さんに聞いてみたほうが、ぴったりのシャンプーを見つけられますよ。
そうなんですね。では今度、聞いてみます!ほかに自分で髪を良くするためにできることはありますか?
右
いちばん大切なのはドライヤーのかけ方ですね。髪を乾かす時は「キューティクルをやさしく愛でる」を意識してください。キューティクルは魚のうろこのようなもので、頭皮から毛先の方向に向かって重なっています。もし、そのうろこに逆らって、下から上にドライヤーを当てれば、キューティクルがめくれてバサバサになってしまうのです。
上から下にドライヤーを当てるのが正解なんですね。
右
はい。ドライヤーを持った手を持ち上げて、上から風を当てるんです。だから、ドライヤーはできれば軽いもののがいいですね。常にうろこの方角に沿って乾かすことを意識するだけで、誰でもツヤ髪になれますよ。
今日からやってみます。いろいろ役立つお話を聞かせていただいて、ありがとうございました!

取材・記事 古屋美枝
撮影 石原敦志

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