素材、かたさ、サイズ、形…歯間ブラシにはさまざまな種類がありますが、自分のお口の状況に応じて選ぶことで、より快適さや効果が得られます。歯間ブラシの正しい使い方、選び方を専門家に聞きました。
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実はハブラシだけでは、歯間部の歯周プラーク(歯垢)を61%しか取り除くことができないとご存じでしたか?いつものブラッシングにプラスしてフロスや歯間ブラシを使用することで、歯周プラーク(歯垢)を効果的に除去できるのです。
でも、「サイズがあっておあらず、うまくかきだせていない感じがする」、「挿入時にうまく入らない、無理に入れると痛みを感じる」、「奥歯に届かない」などの悩みがあり、歯間ブラシがうまく使えていないという声もあります。では、しっかりと歯周プラーク(歯垢)を落とすために、また、無理のない歯間清掃をするためにはどうすればいいのでしょう?答えは「まず、ご自身に適した歯間ブラシを選ぶこと」と西村さん。そのポイントは「サイズ」、「材質」、「奥歯への届きやすさ」です。
「歯間ブラシを無理に入れるのはよくありません。まずはサイズを確認してください。前歯をはじめ、お口全体の歯間が比較的狭い若い世代の方であれば細いサイズのものやフロス、歯間が広がってきたと感じている方は、ある程度太いサイズのもののほうが効果的に歯周プラーク(歯垢)を除去できるでしょう」
サイズがあることを知らない、またはサイズが効果に関わることを知らない人もいるようです。前歯と奥歯でスキマの大きさが違うというケースもありますが、その場合は細いものと太めのものの2種類を使い分けるのも良いそうです。
「材質」については大きく分けて2タイプ。「ワイヤータイプ」と「ゴムタイプ」です。
「歯科医院ではワイヤータイプがスタンダード。ただ、ハグキに当たった時にちくっとする、金属の味が苦手などの理由で、使用をやめてしまうというという方もいらっしゃいます。また、慣れていなかったり、サイズを間違うとハグキを傷つけてしまうこともあります。そこで、よりやさしい使い心地で、初心者の方にも使っていただきやすいゴムタイプの歯間ブラシもあります。ハグキへのアタリがやわらかいので、無理なく、使いやすいのが特徴です」
西村さんは「ゴムタイプには意外な使い方もある」といいます。
「実は歯間ブラシは、歯周プラーク(歯垢)を取り除くだけではなく、ハグキの血行を良くするマッサージにも使えるんです。ゴムタイプはこうした用途にもおすすめです」
そして「奥歯への届きやすさ」。奥歯は見えづらく、口を大きく開かないとしっかり届きません。慣れが必要な場所といえます。でも大丈夫。
「奥歯に届きやすい形状や、持ち手が折れずに曲がることで前歯にも奥歯にも使えるタイプなど、使い慣れていない方にもおすすめの歯間ブラシが登場しています」(西村さん)
上がワイヤータイプ、下がゴムタイプ。
では、西村さんのアドバイスをもとに、サンスター「ガムシリーズ」を例に、タイプ別にまとめてみましょう。
ここに挙げた歯間ブラシは、すべて細いものから幅の広いものまで揃っています。細いものでもまだ歯間に入れづらいという方はフロス(糸)の使用をおすすめします。
この中で2020年夏に新登場したのが、「ガム・ウェルプラス 曲がるソフトピック」。西村さんは「今まで以上に快適に使える製品です」といいます。
「折れずに曲がるのが特徴です。通常、前歯に適しているストレートタイプの歯間ブラシは奥歯に使おうとするとぐっと口を開く必要があるなど、少し大変です。「ガム・ウェルプラス 曲がるソフトピック」は、軸の上部が曲げられるので、前歯と奥歯の両方に使いやすくなっています。そしてゴムタイプなので、歯間ブラシが初めての方や、ワイヤータイプに不安がある方にも安心して使っていただけます」
ガム・ウェルプラス 曲がるソフトピック
サイズ:SSS~S(細いタイプ)SS~M(やや細いタイプ)容量:40本入り 450円(税込495円)
サイズ感がわからないという場合は、歯科医院で指導を受けてみるのも良いでしょう。そして自分にあった歯間ブラシを見つけたら、使い方もしっかり身につけましょう。
「鏡を見ながら歯間ブラシを使用してください。見えていない状態で手の感覚だけで無理な挿入をしないようにしましょう。よくあるのは、補綴物にひっかけてしまうこと。せっかくのオーラルケアなのに、ダメージを与えては意味がありません」
鏡を見ながら使おう。
今まで歯間ブラシに興味がなく使用していなかった人、苦手意識がある人、歯垢除去効果がわかりにくいと感じていた人は、西村さんのアドバイスや「タイプ別チャート」を参考に、ぜひトライしてみてください。
取材・記事 岩瀬大二
撮影(商品) 石原敦志