2023年10月16日、「サンスター ライブショップ」(オンライン)にて『あなたのプラーク(歯垢)除去率をあげるには?歯間ケアが重要です!』が開催されました。こちらは、クラブサンスターで公開している「専門家に聞く!お口のお悩みQ&A」に集まった質問に登壇者が答えながら、視聴者のみなさまに歯間清掃具の必要性や詳しい使い方をレクチャーする内容。この記事では、講座でお伝えした「お手入れポイント」を改めてお届けします!
監修者プロフィール
今回のライブショップで取り上げたテーマは、「あなたのプラーク(歯垢)除去率をあげるには?歯間ケアが重要です!」。さらに、プラーク除去のための、よりおすすめの方法が「BIR」という3ステップです。
まず、「BIR」とは何かご説明します。「BIR」のBはブラッシング、Iはインターデンタルクリーニング(歯間清掃)、そしてRはリンシング(洗口)の略となります。プラーク(歯垢)はむし歯や歯周病のもとであり、これを除去するためには、「BIR」を理解し実践することがおすすめというわけですね。
というのも、ブラッシングは習慣として浸透しているものの、歯間清掃や洗口液はそこまではないでしょう。ただ、実はブラッシングだけで落とせる歯間部の歯垢除去率は約61%。そのうえで、歯間ブラシで歯間清掃をすることで約85%にまで除去率がアップし、さらに殺菌剤配合のリンスで仕上げすることで、お口の環境を良好に整えることができるのです。
ライブショップではこれら「BIR」をひとつずつ解説しながら、簡単な概要、重要性、実施することのメリットなどを紹介しました。
【ステップ1】B:ブラッシングのためのハブラシ選びとみがき方
まずは「B」のブラッシングから。歯みがきは、そもそも自身に合ったハブラシを選ぶことが大切です。いわちゃんが教えてくれたのは、ハブラシのヘッドの大きさは上の前歯2本分を目安にすること。そこにブラシをあわせてみて、幅が同じぐらいかやや小さいぐらいが適正サイズです。
そしてみがく際の注意点は、鉛筆を持つようにハブラシを持つこと。この「ペングリップ」を意識し、力を入れ過ぎずにやさしくみがくことがポイントです。より具体的には、ハブラシの先端を歯にあてた際に毛先が開かない程度。痛いと感じたら力の入れ過ぎなので、こちらも参考にしてみましょう。
加えて、もし歯と歯の隙間があいている人や歯周ポケットが深い人は、ブラシの毛が長めのタイプや毛先が細いタイプがオススメです。また、みがきにくい奥歯の裏側をブラッシングするには、後部までハブラシが行き届くよう、頬を引っ張るとみがきやすいことを教えてくれました。
【ステップ2】I:ブラシやフロスなどタイプ別、歯間清掃のすすめ
「I」のインターデンタルクリーニングに必要なのが、歯間ケア商品。その中でも最初に歯間ブラシをご紹介します。
用途に応じてI字型とL字型の2種類があり、I字型は前歯、L字型は奥歯に適しているのが特徴です。また、歯間ブラシにはワイヤータイプとゴムタイプがあります。もしI字型のワイヤータイプを奥歯に使う際は、ブラシ根元の樹脂部分を折り曲げるのがおすすめです。使用方法は、上の歯に使用する際は斜め上から下へと角度を付けて歯間に入れ、左右の歯の面に沿わせてそれぞれ前後に数回動かします。下の歯に使用する際は斜め下から斜め上へと角度をつけて歯間に入れ、同様に動かします。最後に口をすすいで仕上げます。
筆者もオンライン講座を観ながら実践。ガムの「歯周プロケア ソフトピック カーブ型」という、奥歯に届きやすいカーブ型の細い歯間ブラシを使ったのですが、レクチャーに従ってやってみると、サイズに合ったものを使うべきであることや、角度の大切さが実感できました。(ゴムタイプは根元を折り曲げないようお気をつけください)
筆者が使用した「ガム歯周プロケア ソフトピック カーブ型」
ここで、いわちゃんが「よくある質問」ということで教えてくれたのは、「歯間ブラシを使うことで歯間が広がってしまいそうで心配」という声。答えとしては、やはりサイズに合ったものを選ぶのがおすすめとのこと。歯間ブラシにもさまざまなサイズがあり、初心者は細いタイプから始めるとよいそう。
ほかにも、歯間ブラシ初心者の人や「ワイヤータイプのブラシが苦手」という人には、ゴム製などやわらかいタイプがおすすめということも教えてくれました。
歯間清掃には、歯間ブラシ以外に糸状のデンタルフロスも効果的。こちらも用途別に数種があり、弓型は前歯に使いやすく、Y字型は奥歯に使いやすいことが特徴です。使用法は、ノコギリを引くようにゆっくり動かして歯間に入れ、歯の面に沿わせるように斜めに角度をつけて動かします。歯の面にキュキュッと沿うようにするのがポイントです。
こちらも観ながら実践。ゆっくりと歯の面に沿うように、というのは意識的に行うことが大切ですね。これからは本講座を思い出しながら、角度や動かし方を意識してセルフケアしていこうと思いました。
筆者が使用した「ガム・デンタルフロス&ピックY字型」
デンタルフロスには、持ち手がないタイプもあります。こちらは、まずフロスを指先からひじまでの長さにカット。次にフロス片側の端を中指にグルグルと巻き付け、人差し指と親指で三角形が作れるぐらいの長さに調整します。これを場所によって親指と人差し指を使って糸をピンと張って歯間に使用します。使用したフロスは先ほどと逆の中指に巻き付けていき、新しいフロス部分を使用して清掃します。
こちらも持ち手があるタイプと同様、歯間へノコギリを引くようにスライドさせながら入れます。歯の面に沿わせて上下にゆっくり動かし、無理のない範囲で歯と歯ぐきの間までゆっくりと引き下げて使用します。なお、フロスを使って毎回血が出てしまう人は、歯ぐきに炎症などトラブルがあるかもしれないので、歯科医院を受診することをおすすめします。
歯間ブラシとは違うものの、孤立した歯やみがきにくい部位などをブラッシングするには、毛束がひとつだけの「タフトブラシ」も効果的。こちらも、用途に応じて使い分けましょう。
【ステップ3】R:リンシングでより爽快になるかも
最後は「R」、洗口液によるリンシングです。こちらは「B」と「I」の仕上げとなりますが、その直後にリンスするのではなく、洗口するのはいったん水ですすいでからがおすすめ。なお、マウスピースを付けている人は、装着する前にリンシングを行ってください。
洗口液にもさまざまな種類があり、こちらも自身に合ったものを使うのがおすすめ。たとえばアルコールの有無があり、基本的にアルコール入りのほうが爽快感は強め。殺菌力に関しては、アルコールの有無で違いはないといっていいでしょう。ミントの種類や味付けなども多種多様なので、こちらは好みで選べば大丈夫です。
口内の菌を減らすことで、お口全体がスッキリ。お口ケアの総仕上げとしてのリンシング、ぜひ習慣にしたいですね。
ライブショップでも紹介された今回の「BIR」は、3つのステップを毎日続けることがひとつのゴール。まずは低めのハードルで目標を決め、少しずつ頻度を上げていくことが習慣化の近道といえます。続けることで効果が挙がれば、モチベーションアップにもなるでしょう。ぜひみなさんも、今日から始めてみませんか。
なお、「専門家に聞く!お口のお悩みQ&A」のコンテンツでは、随時ご質問を受付中!みなさんの質問の中から、今後のオンライン講座の内容が決まるかもしれません。ぜひ、お気軽に投稿してみてください。
取材・文/中山秀明