私たちが住む日本は、とても自然災害が多い国。近年は豪雨や竜巻なども増え、いつ、誰が、被災者になってもおかしくない状況です。
そんな中、避難後の生活中に亡くなる災害関連死が注目を集め、これを減らそうという取り組みがはじまっています。この災害関連死の死因のトップは、意外にも肺炎。主な原因は、誤嚥(ごえん)から起こる肺炎=誤嚥性肺炎といわれています。
誤嚥性肺炎とは、飲食物や胃液などが誤って気管に入ること(誤嚥)により、口の中で繁殖した細菌まで一緒に肺へと運ばれてしまって起こる肺炎のこと。
誤嚥性肺炎は生理的機能が衰えて、飲み込みが上手にできなくなった高齢者に多い病気です。特に災害時は、水が貴重となる避難生活でオーラルケアができず、いつも以上に口の中に細菌が繁殖したり、避難生活の疲れで免疫力が低下したりと悪条件が重なります。そのため発症数が増加し、命を奪われる場合もあることが問題になっています。
つまり、災害時のオーラルケアは、命を左右するかもしれないほどの大切なもの。まずはこの事実をしっかりと覚えておきましょう。
災害時は命を守るためにも大切なオーラルケアですが、その意識はまだまだ浸透していないのが現状です。まずは、今すぐ防災グッズの中にオーラルケア品を追加しておきましょう。水の少ない災害時に便利な、液体ハミガキもおすすめです。
すでに準備しているという人は、古い物を入れっぱなしにしていないかチェック。ハミガキや液体ハミガキには特に使用期限が設けられていませんが、未開封で3年程度を目安に使用するのが原則です。いざという時に「使えない!」ということがないように、1年に1度、例えば「防災の日」(9/1)などに確認して、新しい物と入れ替えておきましょう。
また、緊急時に水やハブラシ、ハミガキがない場合でも「できること」をすることが大切。万が一のために、こちらの記事で紹介している具体的なケア方法を、ぜひもう1度復習しておいてくださいね。