「食事の時にむせたり、食べこぼすことが増えた」「硬いものが噛めなくなったし、最近滑舌も悪くなったみたい…」そんな症状が続いたら要注意。お口の機能低下「オーラルフレイル」の可能性があります。
心身の老いは感じるけれど、まだまだ介護は必要ない。そんな健康と要介護の中間段階を「フレイル(衰え)」と呼びます。フレイルの症状の中でも比較的早い段階で起こるものの1つがこの「オーラルフレイル」。「まだ老化なんて」という方も、将来要介護にならず、健康で自立した生活を維持するためには、老化のサインの1つともいえる「オーラルフレイル」を見逃さず対処・予防していくことが欠かせません。
「オーラルフレイル」になっていないか気になる?それでは、お口体操を試してみましょう。
【お口体操】
①「パ」「タ」「カ」をそれぞれ続けて発音
②5秒で何回言えるか数える
③1秒あたり6回、つまり5秒で30回以上発音できていれば、お口の状態は健康。
いかがでしたか?「オーラルフレイル」の兆候が見られる方もご安心を。お口体操を繰り返すことで、症状の進行抑制と改善、予防にもつながるんです。
「オーラルフレイル」の状態を放置してしまうと、健康な歯を失い、食べられるものが減ってしまうことも。栄養バランスが乱れたり、低栄養に陥る可能性もあるんです。
栄養摂取が妨げられると、全身の筋肉が衰える「サルコペニア」や、運動器の衰えにより日常生活に支障が表れる「ロコモティブシンドローム」を引き起こします。また、お口の状態を気にして積極的な社会活動が妨げられることも。たかがお口のトラブルと軽視することで、寝たきりや介護のリスクを高めてしまうなんて、恐ろしいですよね。
「オーラルフレイル」を避けるためには、①常にお口の中を清潔に保つこと、②お口の機能維持に努めることが大切です。適切なブラッシングや定期的な歯科受診で歯周プラーク(歯垢)を除去し、入浴中やハミガキ後など時間を決めて毎日のお口体操を習慣づけるなど、意識を持って今日から取り組んでみてください。