厚生労働省の調査によると、子どものむし歯は減りつつありますが、20~70代までの大人では約8割がむし歯を経験し、しかも高齢者のむし歯が増加していることが報告されています。(出典:厚生労働省歯科疾患実態調査 2011)
そこでサンスターでは大人のむし歯の実態を知るために、2016年の1月~12月の1年間に、日本全国の20~69歳の男女38,476人を対象とした大規模な調査を実施。その結果、ふたつのことが明らかになりました。
ひとつは、むし歯があるのに「痛んだりしみたり」といった自覚症状を感じていない人が74%もいたこと(図1)。
図1
もうひとつは、20代ではむし歯の自覚症状がないと答えた人が68%なのに対して、40代になると76%に増加(図2)すること。40代以降はより痛みやしみる症状を感じにくくなる、つまりむし歯に気づきにくくなることがわかったのです。
図2
この事実を踏まえ、大人むし歯の特徴や気づきにくい理由などを、サンスター千里歯科診療所長・鈴木秀典先生に聞きました。
Q. 大人むし歯の特徴は?
A. 大人特有のむし歯があります。ひとつは「再発むし歯(二次う蝕)」で、過去に治療した詰め物と歯のすき間に入り込んだむし歯菌が原因となるむし歯です。もうひとつは「根元むし歯(根面う蝕)」といい、加齢や歯周病によってハグキが下がり、歯の根元の象牙質が露出することでむし歯になります。
Q. どうして痛みを感じにくいの?
A. 再発むし歯(二次う蝕)になる歯は神経を取り除いている確率が高く、症状を感じにくいことも。また、根元むし歯(根面う蝕)は、年齢とともに象牙質が厚くなる傾向があるため、むし歯の深さの割には痛みを感じにくいようです。
Q. 対策はどうしたら?
A. 治療した歯がある人、むかしに比べてハグキが下がってきた人は、痛みの有無にかかわらず定期的に歯科医院を受診しましょう。歯科医院では、大人むし歯の健診と同時に、歯のすみずみまでのクリーニングやフッ素塗布などが受けられます。また、ご家庭でのフッ素入りハミガキやフッ素洗口液の活用についても指導をしています。
むし歯に気づきにくい大人こそ、歯医者さんと上手につきあう必要がありそうですね。痛みがないからと気を抜かず、大人もむし歯予防を心がけましょう!
BUTLER(バトラー)は、1923年に歯科医療の現場で生まれてからずっと、ブラッシング、フロッシング、イリゲーションを組み合わせたプラーク除去に関する独自の考え方と高品質のツールを長年にわたって提供しています。