梅雨時期に頭痛やだるさなど体の不調を感じやすい人は多いもの。その原因として考えられるのが、気圧や気温、湿度などの変化による自律神経の乱れ。自律神経を整えるためには、「規則正しい生活」、「栄養バランスのとれた食事」、「質の良い睡眠」などのほかに、実は「腸のケア」が大きな鍵となります。そこで自律神経を整えるために簡単にできる腸活を日本美腸協会認定講師・川村衣里奈さんに聞きました。
取材先プロフィール
「腸と自律神経は相互作用があり、互いに影響しあっています。腸内環境を改善すると、腸のぜんどう運動を支配する副交感神経のはたらきが良くなり、自律神経のバランスが整います。また、自律神経のバランスが整えば、腸内環境も整うのです」と川村さん。
腸内環境を整えるために、大切なことのひとつが毎日の食事。
「小腸で栄養を吸収しやすい状態を作るためにまずすべきなのは、水溶性食物繊維を摂ること。水溶性食物繊維が腸内の善玉菌のエサになり、良い状態の便を作って排出することで、腸のお掃除ができます。おすすめは、めかぶやとろろ、なめこなどのねばねば食材や熟したフルーツです」
バナナであれば、黄色一色のものより、熟れて黒くなったもののほうが水溶性食物繊維が豊富。アボカドもやわらかくなったもののほうがおすすめです。
さらに、腸のことを考えたら炭水化物抜きはNG。
ダイエット中の人は炭水化物を敬遠しがちですが、炭水化物を控えすぎては良い便が出ません。中でも玄米ごはんや全粒粉パンなどに多く含まれる不溶性食物繊維は、腸壁に刺激を与えて腸を活性化させるうえ、便のカサを増す効果があるので、できれば毎日摂るようにしましょう。さらに、善玉菌が含まれる納豆やチーズ、味噌などの発酵食品も積極的に食べるようにすることが大切です」
◆川村さんおすすめの簡単腸活レシピ
◎腸活サラダ
「茹でた海老とブロッコリー、トマト、クリームチーズにオリーブオイルと海塩をかけてシンプルにいただきます」
◎里芋のポテサラ
「茹でた里芋、新玉ねぎ、無添加のベーコンを発酵バターと塩麹、醤油、粉末だし、酢、ブラックペッパーで味付け。繊維質がたっぷり摂れます」
◎昆布の和え物
「サラダ昆布(水で戻すタイプのもの)をすし酢、醤油、ごま油で味付けして、ごまで和えます」
腸から自律神経のバランスを整えるために、食事以外で効果的な方法を川村さんに聞いてみました。
「腸の動きを活性化するには、『1:2の呼吸』が効果的です。鼻から5秒で吸って、口から10秒で吐きましょう。1:2の呼吸は直接自律神経を整える効果があり、腸のはたらきも良くなります。特に吐くことを意識しながら、仕事の合い間や寝る前などに行うのがおすすめです。さらに、この呼吸を意識しながら、以下の腸もみをしてみてください」
セルフ腸もみ
(A)おへそから指2本分、左右に間隔を開けたポイントを、息を吐きおじぎをしながら押す。手の位置を上下にずらしながら5回行う。
①おへそから左右指2本分、間隔を開けた位置に両手の指を揃えて当てる。②おじぎをしながら指でお腹を押す。③手の位置を上下に少しずらす。④おじぎをしながら指でお腹を押す。
(B)右の腰骨の上、左の肋骨の下をつかみ、息を吐き、おじぎをしながらもむ。手の位置をずらしながらよくもむのがコツ。5回行う。
①右の腰骨の上、左の肋骨の下をつかむ。②つかんだ位置をもみながら、息を吐き、おじぎをする。③~⑥つかむ位置をずらしながらもみつつ、息を吐き、おじぎをする。
(C) 右手をグー、左手をパーにして、おへその左下に重ね、息を吐き、おじぎをしながら手を時計回りに5回動かす。体勢を戻し、手をそのまま右にスライドさせ、おへその下から下に流すように動かす。
①右手をグー、左手をパーにして、おへその左下に重ねる。②息を吐き、おじぎをしながら手を時計回りに5回動かす。③体勢を戻し、手をそのまま右にスライドさせ、おへその下から下に流すように動かす。
川村さん自身、子どもの頃から薬なしではいられないくらい便秘に悩まされていて、救急車で運ばれたこともあったとか。アレルギー持ちで肌荒れもひどかったのが、食事や生活習慣を変えてから、今ではすべて改善されたそうです。
「腸内環境が整えば、自律神経のバランスが良くなるだけでなく、美容の面でも良いことがいっぱい。ぜひできることからはじめて梅雨を元気に乗り越えてください」
忙しく、なかなか料理ができないという人のために、腸のコンディションを底上げするアイテムをご紹介します。
・健康道場 ラクトフェリンS
乱れた腸内環境を正常にするように腸に指令を出すことで硬めの便の状態をなめらかにするサプリメント。また、起床時の眠気や疲労感を軽減する機能があります。
ラクトフェリンを大豆由来の膜で包んでいます。独自発送の多層コーティングにより、ラクトフェリンがしっかり腸まで届きます。
180粒入り/約1ヶ月分
希望小売価格 7,000円(税込7,700円)
・健康道場 玄米ごはん
ふっくら食感で食べやすい玄米ごはん。
良質の水をたっぷり使い「ヌカ臭さ」「パサパサ感」を解消しているため、毎日の食事に取り入れやすいはず。
国産の大麦とアマランサスを加えることで、白米に比べカロリーは約30%低いにも関わらず、食物繊維や鉄分、カルシウムを多く含んでいます。
1パック133g×30食
希望小売価格6,000円(税込 6,480円)
取材・記事 古屋美枝