11月29日は「いい肉の日」。この日にあわせて飲食店ではキャンペーンをしたり、スーパーマーケットなどでは特売があることも多く、美味しい肉をお得に味わえるチャンスです。
肉を積極的に食べるとどんないいことがあるのか、どんな野菜と一緒に摂ると栄養の吸収がより良くなるのかなどを、料理研究家で野菜ソムリエでもある井原裕子さんに教えてもらいました。
プロフィール
「肉を食べるいちばんのメリットは、良質なたんぱく質が摂れるということ。たんぱく質は筋肉や臓器、肌、髪、爪などを作るもので、欠かせない栄養素です。たんぱく質をカラダに取り入れる助けとなり、効率よくはたらかせるのが野菜の役割。肉の種類によって組みあわせる野菜を変えることで、さらに上手にたんぱく質を摂ることができるようになります」と井原さん。
たんぱく質を摂る時に必ず摂りたいのは、ビタミンB6。ビタミンB6は、ニンニク、ブロッコリー、パプリカ、かぼちゃ、にら、玉ねぎ、パセリ、しいたけ、まいたけ、カブの葉などに多く含まれているので、これらは「お肉と相性がいい野菜」といえます。
「基本的にビタミンBは、単体では効果を発揮しにくいため、『B群』として取り入れるのが望ましいのですが、どんな肉でもビタミンBは含まれているので大丈夫です」
肉の種類によって、栄養素の吸収が良くなる野菜は異なります。
「牛肉は鉄分が多いので、ビタミンCを多く含む野菜と一緒に摂ると、栄養を効率的に吸収できます。また、赤身の肉ほどたんぱく質、鉄分ともに多くなるのでおすすめ。サーロインよりもランプ肉を積極的に食べましょう」
ビタミンCは水溶性の栄養素なので、野菜は茹でるよりも生のままか、レンジ加熱で食べるのがおすすめです。
選ぶべきは赤身が多いランプ肉。鉄分もたっぷり摂れる。
「おすすめは、ランプ肉のステーキサラダ。ランプ肉をステーキとして焼き、ビタミンCが豊富なパプリカ、玉ねぎ、レタス、パセリなどを食べやすい大きさに切って野菜サラダとして添えましょう。レンジ加熱したブロッコリーもよく合います。または、牛切り落とし肉を使ったプルコギも美味しくて簡単なのでイチオシです。牛切り落とし肉とパプリカ、玉ねぎ、ニラを、焼く前に調味料(しょう油、酒、コチュジャン、砂糖、すりおろしニンニク)をからめて下味をつけておくことで、加熱時間が短縮できます」
「豚肉はなんといってもビタミンB1が豊富。ビタミンB1は、新陳代謝を促し、疲労回復にはたらきます。ビタミンB1の吸収を促すのは、アリシンを多く含むユリ科の野菜。玉ねぎ、ニンニク、ニラ、ネギなどがおすすめです」
アリシンには、殺菌や抗酸化作用があり、免疫力を高めてくれる効果があることでも知られています。
また、特にニンニクには新陳代謝を促すスコルニジン、ニラやネギにはβカロテンやビタミンC、カリウムなどがバランス良く含まれています。
豚肉と一緒に食べたいニラ。βカロテンやビタミンCも摂れるので美肌効果も。
「おすすめのレシピは、豚肉と玉ねぎのハーブロースト。豚肩ロース厚切り肉を3等分ほどに切ったら、玉ねぎも大きめに切り、フライパンでにんにくやローズマリーと一緒に焼いて、白ワインで蒸し焼きにします。仕上げにパセリのみじん切りをたっぷり振ります」
豚切り落とし肉を使った、豚肉とニラのオイスター炒めはお酒のつまみにもぴったり。
「豚切り落とし肉と玉ねぎの薄切り、ニラ、ニンニクを味噌とオイスターソースで炒めます。簡単にできるし、とっても美味しいですよ」
「鶏肉は、意外と知られていませんが、ほかの肉よりビタミンA(レチノール)が多く含まれています。たんぱく質の吸収を促す野菜を使ったスープにすると、栄養素が丸ごと取れるのでおすすめ。手羽先やニンニク、ショウガ(あればクコやナツメ)、米、しいたけ、まいたけ、かぼちゃなどを入れて、具沢山のお手軽参鶏湯にするのはいかがでしょうか」
ビタミンAやたんぱく質をたっぷり摂れるので、肌の乾燥が防げるうえ、風邪予防にもぴったりです。また、鶏肉は茹で汁も再利用するのがポイント。
「茹で鶏の香味ダレは、ご飯の進むおかずに。皮付きの鶏もも肉をしょうがやネギの青い部分とともに茹でて、ニラ、ネギ、ショウガのみじん切りと醤油、砂糖、酢を混ぜた香味ダレをかけていただきます。さらにパクチーを加えるとエスニック風にも。茹で汁はもちろん、捨てずにスープとして使いましょう」
鶏肉は野菜と一緒にスープにすると出汁も出て、栄養も丸ごと摂れるのでおすすめ。
冷蔵庫に野菜がない時や、外出先でコンビニ弁当などを食べる時に、おすすめなのはサンスター健康道場の野菜飲料。
「おいしい青汁」や「青汁」ならブロッコリーやパセリ、「黄実野菜」ならかぼちゃやパセリなど、肉に含まれるたんぱく質の吸収を促す野菜が簡単に摂取できます。しかも、砂糖、食塩、香料、保存料無添加。忙しい人は特に、常備しておいてはいかがですか?
取材・記事 古屋美枝