「食べ物を噛んだら歯が痛い」「何か違和感がある」。そんな時、真っ先に思い浮かぶのはムシ歯ですよね。ところが歯医者さんで診察してもらったら結果はまさかの「ムシ歯なし」。歯医者さんによると、実はこういうことは珍しくないのだとか。
それでは、なぜ歯が痛むのでしょうか?
教えてくださった先生
Q.ムシ歯以外で歯が痛む原因はなんでしょうか?
A.あごの痛み、歯のくいしばり、歯ぎしり、三叉神経痛(さんさしんけいつう)(※1)、副鼻腔炎、心因性などさまざまなことが原因で起こります。これらをまとめて「非歯原性歯痛(ひしげんせいしつう)」と呼びます。
Q.どんな時に症状が出るのでしょうか?
A.はっきりと実証はされていませんが、ストレスなどが関係している可能性もあります。この痛みは、常に感じたり、たまに感じるくらいだったりと人それぞれ。まずは歯医者さんに相談して、早めに原因を特定しましょう。
Q.どのような治療をするのですか?
A.診察の結果、原因があごの痛みや歯のくいしばり、歯ぎしりによる場合は歯科での治療になります。治療法としてはマウスピースを作って、上の歯と下の歯が必要以上に接触しないようにします。起きている時でも無意識に上下の歯を触れさせる癖がある人もいるので(歯列接触癖=THC)日常生活で気をつけることも大切です。また、歯科では対処療法として痛み止めを処方する場合もあります。副鼻腔炎が原因の場合は耳鼻科、三叉神経痛が原因の場合は口腔外科を紹介してもらい、治療を進めましょう。
Q.治療にはどれくらい期間がかかりますか?
A.治療にかかる期間は個人差がありケースバイケースですが、一度の治療ですぐ治る!というのはまれ。どの場合も数ヶ月単位の長い目で見ることが必要です。「もしかして私も…」と感じる人は、ぜひ歯医者さんで相談してみてくださいね。
※1 三叉神経痛とは顔に痛みのでる病気です。顔の感覚(いたい、さわった、つめたい、あついなど)を脳に伝える神経が三叉神経ですが、この三叉神経が血管などによって圧迫されることで生じる神経痛です。