この春、お子さんの入園、入学を迎えるという方も多いのではないでしょうか。環境が変わるタイミングで、改めてお口のケアも見直したいところ。ハブラシの基礎知識を付けて、子どもの歯をしっかり守ってあげたいですね。そこで子ども向けハブラシについて専門家にお伺いしました。
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子ども向けのハブラシは、大人向けと何が違うのでしょうか。
「まず、ブラシがついているヘッドの部分が、子どもの口の大きさにあわせて小さめになっています。ハンドル部分は、子どもでも持ちやすいように太め、ネック部分(ハンドルとヘッドの間の細い部分)は子どもの口の大きさにあわせて短かめです」
「また、年齢ごとに商品が分かれているのも特徴です。成長によって、手や歯の大きさ、歯の数や並びも変わるため、それぞれ、ヘッドの大きさやハンドルの長さに違いがあります。
歯の数が少ないうちはネックが短いものでみがけますが、6歳臼歯という奥歯が生えてきたら、奥歯にも届きやすいように長めのネックのハブラシに替えるのがよいでしょう。ヘッドは歯の大きさが小さい3歳頃までは小さめです。
子ども向けのハミガキは、歯が生えてきたら使用できますが、使用量に注意しましょう。だいたい、2歳半くらいから使いはじめるといいでしょう。フッ素の濃度は500~1000ppmで、いちごやグレープなど、子どもでも使いやすい味付けがあるのが特徴です」
子ども向けハブラシについて、素朴な疑問に答えていただきました。
Q 年齢によって、どんなハブラシを使えばいいのですか?
A パッケージの対象年齢を目安にしましょう
子ども向けハブラシは、3つほどに分類されます。
市販のハブラシのパッケージには対象年齢が書かれており、それを見て選べるようになっていますので目安になります。子どもの歯の生え方によって、適切なハブラシを選ぶようにしましょう。
また、仕上げみがき用のハブラシも用意しましょう。ヘッドが子ども向けハブラシよりも小さく、ネックが長いので、奥歯にも届きやすいのが特徴です。
こちらの記事でも詳しくご紹介。
>>こども向けハブラシは3つのポイントをおさえて選ぶ!
Q 歯の生えかわり時期のハブラシ選びはどうすればいいですか?
A ヘッドがコンパクトなものが向いています
子どもの歯と大人の歯が混在しているとみがきにくいので、ヘッドがコンパクトなものが向いています。細かいところまでみがきやすいでしょう。
また、6歳頃には第一大臼歯という奥歯が生えてきます。むし歯になりやすいので、奥歯まできちんとみがくようにしましょう。
生え始めの奥歯がむし歯になりやすいのは、手前の歯と高さが違うから。普通にみがくと毛先が当たらなかったり、歯ぐきが被っていたりするので、汚れがたまりやすいのです。歯と歯ぐきの境目も、しっかりみがいてください。子ども向けではないですが、タフトブラシを仕上げみがきに使うのもいいですね。
こちらの記事もどうぞ。
>>歯科医から「狙ってケア」の新提案!タフトブラシ&舌ブラシの使い方
Q どれくらいで取り換えればいいのですか?
A 1ヶ月を目安に交換しましょう
よくいわれるように、毛先が広がってきたら交換するようにしましょう。ただし、毛先が広がらなくても、長く使っていればコシがなくなり効果的にみがきにくくなります。また、細菌が繁殖することもあります。
毛先が広がらなくても、1ヶ月を目安に交換するとよいでしょう。
Q 乳歯と永久歯でハブラシは変えたほうがいいですか?
A その時期にあったハブラシで丁寧にみがきましょう
乳歯と永久歯では歯の大きさが異なるので、それぞれにあった大きさのヘッドや長さのハンドルを使うのが理想的です。ただし、生えかわりの時期に2本のハブラシを使うのはなかなか大変。歯みがきが面倒になってやらなくなってしまったら逆効果です。
生えかわりの時期にあったハブラシ1本でいいので、丁寧にみがくのがおすすめです。
Q いつになったら大人向けを使うのでしょうか?
A 永久歯に生えかわる12歳頃が目安です
6歳臼歯までの歯が永久歯に生えかわったら、大人用のハブラシに移行しましょう。平均的には12歳頃です。
幼稚園や保育園で、ハブラシを用意する方もいるでしょう。その際の注意点も気になるところですね。
Q 幼稚園や保育園で殺菌灯保管庫に入れても大丈夫?
A 殺菌灯保管庫の使用は推奨していません
サンスターとしては、紫外線殺菌乾燥保管庫の使用は推奨していません。
使用されている保管庫の多くは紫外線による殺菌が多く、紫外線を照射すると、ハブラシの毛は光による劣化が起こります。プラスティックなどを日光に当てると変色する現象を想像してもらえばわかりやすいでしょう。つまり、紫外線を当てると、本来の商品とは異なる状態になる可能性があるのです。
Q 幼稚園や学校で歯みがきをしなくても大丈夫?
A できない場合はうがいをしましょう
歯みがきをしない幼稚園や保育園もあるでしょう。本来、1日3回の歯みがきが望ましくはありますが、朝と夜寝る前にしっかりとみがいて汚れを落としていればそれほど心配することはありません。
また、食後にうがいをするだけでもお口の細菌を減らせるため、保育園や幼稚園では、うがいをするようにしてもらうことも有効です。
小学生には自発的に歯みがきをするように、本人が気に入る歯みがきセットなどを用意してあげるのも一案ですね。時間がなくて歯みがきができない時の方法として、うがいを教えてあげましょう。
新しい環境になっても、お口のケアをしっかりとしておきたいですね。子どものハブラシを適切に選び、お口の健康を守りましょう。子どもの歯みがきのコツは、こちらの記事も参考にしてみてください。
>>子どもの歯みがきのコツは?むし歯予防は?子どものオーラルケアQ&A
取材・記事 栃尾江美