会員さんからお悩み質問BOXに寄せられた質問にお答えします。今回は多くのみなさんから寄せられた「口臭」に関して、編集部がピックアップしたご質問をサンスター財団の歯科衛生士の浜頭さんにお答えいただきました。
担当者プロフィール
「最近、口臭が気になりはじめました。今まではあまり気になりませんでしたが、妻から指摘されるようになりました。なにか原因があるのでしょうか?(60代・男性)」
ご家族からのアドバイスを受けて原因を見つけようとしていらっしゃる姿勢が素晴らしいですね。最近になって口臭が気になりはじめたということですが、いくつかの原因が考えられます。
①お口の病気が原因の場合
むし歯や歯周病などの病気やプラーク(歯垢)、舌苔などによってお口の中の細菌が増殖し、口臭が発生することがあります。
②体質や生活習慣の変化が原因の場合
体質や生活習慣の変化も、口臭が発生する原因になります。例えば、性別や年代によってもお口からの臭気は変化するといわれています。また、この後の質問にあるような、マスクの着用など生活習慣の変化が口臭を引き起こしているケースも考えられます。
③お口以外のカラダの病気が原因の場合
鼻やのど、消化器系の病気が原因で口臭が発生することがあります。
④食べ物やタバコなどの嗜好品が原因の場合
においの強い料理などを食べた後やタバコを吸った後に一時的に口臭が発生することがあります。
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まずは原因を特定し、症状にあった対策をしていきましょう。
「マスク生活になってから口周りが乾燥しやすくなって口臭が気になります。なにか対策はありますか。(40代・男性)」
マスクをして生活していると、息苦しさから口呼吸になっていることがあります。口呼吸はお口が乾燥しやすく、唾液(だえき)が減ることでにおいの原因になる菌が繁殖し、においのもととなる物質が作られ、唾液に溶け込みます。
会話や咳(せき)、くしゃみなどでにおいのついた唾液がマスクに付着すると、臭くなることがあります。
マスク内ではお口が乾燥しないよう、まずは意識的に鼻で呼吸しましょう。また、こまめな水分補給や唾液が出やすくなるマッサージでお口を潤すといった手もあります。
他にも、マスクの内側は温度が高く湿気もこもりやすい環境であるため、雑菌が繁殖しやすくなります。したがって、唾液や呼気(こき)がマスクの中に付着・繁殖して、においに繋がるケースがあります。
もちろん、ご自身でのブラッシングや歯間ケア、定期的な歯科受診などでお口の衛生状態を良くすることも重要です。ブラッシング方法や口腔ケアアイテム選びなどを工夫してみることも基本的な口臭対策に繋がります。
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マスク生活によって、多くの方が口臭をお悩みとして感じているとの調査データもあります(※)。みなさんが気になっている点をご質問くださり、ありがとうございます。
「奥歯の歯周病がすすみポケットが深くなっており、そこから口臭がひどくなっています。 丁寧にみがいてもマウスウォッシュを使ってもすぐににおってきて自分でもいやになります。いっそ、抜いたらポケットがなくなるから清潔になるかなと思うのですが、まだ歯がしっかりしているので歯医者では抜かない方がいいといわれました。(50代・女性)」
すでに歯医者さんにもご相談しながら丁寧な歯みがきを実施されているとのこと、頑張ってケアされていますね。お寄せいただいた内容のとおり、まだ歯がしっかりしているようでしたら丁寧なケアを継続し、歯周病を改善させていきたいですね。ご自身の歯を残していくことが長期的な全身の健康維持にも繋がります。
実は歯医者さんにはいろいろな専門、得意分野があります。歯周病を専門とする歯科医師や歯科衛生士にセカンドオピニオンを聞くことで、より納得できる治療方法が見つかる可能性もあります。ご自身の納得できる方法で、よりよいお口の環境を目指していただければなによりです。
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もう一点、お伝えできることとして、実は口臭が気になって不安になることで、よりにおいが強くなったり、においを感じやすくなるというケースがあります。質問者さんが納得できる治療方法が見つかり、少しでも不安感やストレスが解消されることを祈っています。
お悩みを投稿いただいたみなさん、貴重なご意見ありがとうございました! 引き続き、「お口のお悩み 質問ボックス」へのご投稿をお待ちしております。
※ 「新型コロナウイルスの流行による生活習慣の変化に関する調査」 20歳~69歳の男女 n=1,000人(サンスター調べ)
取材・記事 クラブサンスター編集部