気付かないうちに進行していることも。あなたも大人むし歯かも？

子どもだけの問題じゃない。大人の約３～４割が治療していないむし歯あり。

むし歯といえば、まだ歯みがきが上手にできない子どもたちのもの…という印象があるかもしれません。でも実は、大人にとっても大問題。下のグラフを見てもわかるように、20歳以上の大人で、未処置のむし歯がある人が３～４割も(*)。

出典：「厚生労働省　平成23年歯科疾患実態調査」より構成

*３～４割にはむし歯の自覚が無い人も含みます。

「子どもの時ほど甘い物も食べないし、歯みがきもしっかりできるのにどうして？」と思うかもしれませんが、そこには深～い理由が。なんと！大人には大人ならではのむし歯の特徴や原因があり、それがなかなか手ごわい相手だったりもするのです。

進行の仕方も原因も、子どもと大人ではこんなに違う！

子どもの場合、生えたばかりの歯の表面のエナメル質がまだやわらかい（酸に弱い）ため、むし歯の進行が早いという特徴があります。また、生えはじめの歯はまだ背が低いので歯みがきしにくい時期でもあります。

それに対して大人のエナメル質は子どもよりも酸に強くなっているのですが、一方で子どもよりも象牙質が厚くて痛みを感じにくいので、気が付かないうちにむし歯になっている、またはひっそりと進行している…ということが多いのです。むし歯に気付かずにそのまま…という人が増えてしまうんですね。

しかも、大人には大人特有の、むし歯になる原因があるんです。 ひとつは「再発むし歯」。過去に治療した詰め物と歯のすき間にむし歯菌が入り込んでできてしまうタイプ。 もうひとつは「根元むし歯」です。加齢や歯周病によってハグキが下がり、歯の根元の象牙質が露出。象牙質は酸に溶けやすいため、根元からむし歯になってしまうのです。

要するに、大人には大人のむし歯リスクがあるということ。まずはこのことをしっかり自覚して、より積極的なむし歯予防に取り組みましょう！

子どもも大人も、むし歯予防は「フッ素洗口」がキーワード。

では具体的に、むし歯にならないためにはどうしたらいいのでしょう？

実は、予防策は子どものむし歯も大人むし歯も同じ。正しい歯みがきはもちろんですが、ぜひ取り入れたいのがフッ素(※１)の力を借りた「歯を強くする」オーラルケアです。

イラストのように、歯はお口の中で

1. 歯からカルシウムやリンが溶け出す「脱灰」。
2. 溶け出したカルシウムやリンを歯に取り込む「再石灰化」。

を繰り返しています。

この「脱灰」の抑制と「再石灰化」の促進をサポートするのがフッ素。毎日のオーラルケアに取り入れることで、強い歯を育てることやむし歯予防が期待できます。

具体的には、１日２回以上の歯みがき(フッ素配合のハミガキ剤)に加えて、フッ素洗口（フッ素配合の洗口液でのブクブクうがい）をするのがおすすめ。
むし歯になりやすい奥歯や歯間などすみずみまでいきわたるうえに、水ですすぐ必要がないからフッ素がお口の中にとどまって、効率的にむし歯予防ができるんです。

「脱灰」「再石灰化」と聞くと身構えてしまいそうですが、実際はブクブクうがいをプラスするだけだから意外に簡単。まだまだ続く大人の道！未来の自分の歯のために、今日からはじめてみませんか？

※１「フッ素」とは、「フッ化物」の事を指します。