こんにちは。サンスター研究員の関根です。
研究員が教える豆知識 第7弾の今回は「口臭の原因と対策」について、ご紹介します。
「あれ、わたし今、口が臭いと思われたかも?」
人と会話をしていると、自分の口臭が気になることはありませんか?
「スメルハラスメント」という言葉もあるほどで、ニオイが人に与える印象は大きいと言えます。
どんなに外見に気をつけていても、口臭があるとなんだか不潔に感じてしまいませんか?
今回は、そんな口臭の原因と、その対処方法についてご紹介します。
みなさん、口臭の原因は胃から出るニオイだと思っていませんか?
実は、実際に口臭がある人の約9割は、お口に原因があると言われています。
吐き出す息の中で、私たちがいわゆる「口臭」として認識しているものは、揮発性硫黄化合物(VSC)というガスです。お口から発生する主なVSCには、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドの三種類があります。名前を聞いてもピンとこない方がほとんどだと思いますが、それぞれ「卵が腐ったようなニオイ」、「キャベツなど野菜が腐ったようなニオイ」、「生ゴミのようなニオイ」と表現されます。
これらのニオイがお口から漂っているなんて、想像もしたくないですよね…。
VSCは、お口に存在する菌が、お口から剥がれた粘膜やお口の中に残った食べカスを分解することによってつくられます。
突然ですが、鏡の前で舌を出してみてください。
白や褐色の苔のようなものがついていませんか?それが「舌苔」です。
VSCの約6割は、この舌苔で作られると言われています。
舌苔を食べカスの塊だと思っている方が多いかもしれませんが、実はそれだけではありません。お口から剥がれた粘膜や菌も多く含まれています。
つまり、舌苔にはVSCのもとになる材料と、それを分解してVSCを作るものが両方存在しているため、舌苔はVSCを作るのに絶好の環境なのです。
歯周病は、歯周病菌の感染によってハグキが炎症を起こし、放っておくと歯を支える骨が溶け、最終的に歯が抜け落ちてしまうこともある感染症です。
歯周病になると、ハグキが炎症を起こして出血し、さらに進行すると、ハグキの組織が破壊され、歯周ポケットを形成します。歯周ポケットが深くなると、歯周ポケット内に酸素が届きにくくなります。
歯周病菌は酸素を嫌う性質をもち、血液をエサとします。そのため、これらの歯周病によって起こる現象が、歯周病菌にとって居心地の良い場所をつくり、歯周病菌の増殖を促します。
お口に存在する菌の中でも、特に歯周病菌の多くはタンパク質を分解する酵素を放出します。お口の剥がれた粘膜や血液成分などにはタンパク質が含まれているため、これらが分解されて、VSCが作られます。これが口臭へとつながります。
つまり、歯周病も口臭の原因となるということですね。
ハグキが下がってきている、ハグキから出血することが多い、などが当てはまり「歯周病かも?」と感じたら、まずは歯科医院で診療を受けることが重要です。
糖尿病患者さんが気になるお口の中の症状について、サンスターが調査をおこなったところ、「口の中が乾きやすい」が4位、「口臭」が5位という結果となりました。
唾液には、食べカスを洗い流す洗浄作用や、菌の繁殖を抑える抗菌作用があり、お口の環境を適正に維持する役割を果たしています。その唾液が不足し、お口が乾燥すると、VSCが増加することが知られています。
特に糖尿病患者さんはお口が乾燥しやすいため、菌が増殖しやすく、口臭へとつながりやすいのかもしれませんね。
それでは、口臭をおさえるためには、どのような対策があるのでしょうか?
まず、口臭発生の原因となる舌苔を除くため、舌を清掃することが大切です。
清掃の際は、舌をしっかりと出したら、やさしく舌ブラシをあて、奥から手前へと一方向に掻き出します。
1~2回掻き出すごとに流水でブラシを洗浄し、汚れを取り除くことをおすすめします。
清掃のポイントは、舌を傷つけないよう注意することです!
1日に何回も清掃したり、強い力でこすってしまうと、味を感じる器官である味蕾を傷つけてしまうため、多くても1日1回までとし、軽くなぞるように清掃しましょう。
歯ブラシや、硬い素材の舌ブラシや舌ベラは、舌を傷つけやすいため、注意が必要です。
やわらかい素材の舌ブラシなどを使うようにしましょう。
口臭予防のため、お口の中の菌数を減らすことも重要です。
菌を殺し、菌の増殖を抑制することによって、VSC産生量を減らしましょう。
殺菌成分配合の洗口液やスプレーを使用することでも、口臭を防ぐことができます。
特に、お口の中を殺菌し口臭を防ぐ効果のあるスプレータイプのケア用品は手軽に持ち歩くことができ、気になったときいつでもケアができるため、おすすめです。
口臭を防ぐことで、周囲の反応を気にせず、自信をもって人と話をすることができれば、毎日の生活が更に充実するかもしれません。
仕事仲間や家族との距離感も縮まるかもしれませんね。
みなさんも今一度、口臭ケアを見直してみてはいかがでしょうか?
有効成分であるセチルピリジニウム塩化物水和物が、効果的にお口やのどの菌を殺菌・消毒することで、お口を清潔な状態に保ち、また口臭を除去します。
手のひらサイズで携帯しやすく、吐き出し不要のため、外出先等でもケアが可能です。
「バトラー やさしい舌ブラシ」は、口腔ケアの新習慣として、舌苔(舌に付着する菌、食べカス、粘膜のカス、唾液成分など)の除去により、口臭の原因となる舌の汚れを集中ケアするブラシです。
抗菌コートされたやわらか毛で舌苔を浮き上がらせ、やわらかラバーでかき出すダブルアクションで、舌を傷つけずに、効率よく舌苔を除去します。
※参考文献
宮崎秀夫編 (2007) 『口臭診療マニュアル:EBMIに基づく診断と治療』 第一歯科出版