今回は「全粒穀物」について、こんな記事をご紹介いたします。
玄米などの全粒穀物が健康に良いということはよく知られていますよね。メディアでも玄米が取り上げられているのをよく目にします。中には、毎日の食事に全粒穀物に取り入れているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、玄米が糖尿病リスクの低下にもつながるという研究結果と、玄米が苦手な方でも食べやすくなる方法をご紹介します!
全粒穀物とは、精白などの処理で糠となる果皮・種皮・胚・胚乳表層部といった部位を除去していない穀物のこと。全粒穀物が体に良いことが知られるようになり、全粒穀物を使ったパンやパスタ、オートミール、玄米、全粒コーンミールなどは店頭でも見かけるようになりましたね。
精白の過程で失われる部分には、ミネラル・ビタミンB群・マグネシウム鉄分などが豊富に含まれていて、主食を精白度の低い胚芽米や麦飯、全粒粉のパンなどにすると、食物繊維も多く摂取できます。
全粒穀物はGI値(食品ごとの血糖上昇率を表す指標)が低いため、インスリンの過剰分泌を抑え、血管にダメージを与えにくくします。
さらに、血糖を下げるインスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗を改善し、中性脂肪の上昇も抑え、メタボリックシンドロームが改善するという研究も報告されています。
また、全粒穀物に含まれるフィトケミカルには抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぎ、血管の若さを保ち、動脈硬化の予防にも役立ちます。食物繊維により満腹感を長時間持続しやすくなり、摂取カロリーも抑えられます。
その他に、米国ハーバード大学公衆衛生大学院が実施した研究によると、全粒穀物を1日28g以上食べる人は、ほとんど食べない人に比べ、死亡率が5%低下するとのことです。とくに心筋梗塞や心臓発作などの心血管疾患で死ぬリスクは9%も低下するのだそうです。
全粒穀物を食べている人は2型糖尿病の発症が少ないという研究結果があります。
スウェーデンのチャルマース工科大学やデンマークがん学会研究センターなどによる研究の結果、全粒穀物を毎日50g(1日に3皿分)以上摂っていたグループでは、ほとんど摂らないグループに比べて、2型糖尿病の発症リスクは、男性:34%、女性:22%それぞれ低下しました。
全粒穀物を使っていれば、ライ麦ブレッド、パスタ、オートミール、シリアルなど、どんな食品であっても2型糖尿病のリスクを低下させる効果を期待できます。チャーマーズ工科大学のリカード ランドベリ教授は「今回の研究は、全粒穀物を推奨する食事ガイドラインを裏付ける結果になりました。精白された穀物を、精白されていない全粒穀物にかえることをお勧めします」と言います。
玄米にも糖尿病を予防する効果があります。玄米は、精白米に比べ食物繊維が約6倍、ビタミンB1が約5倍、マグネシウムが約5倍多く含まれます。1日の摂取量の3分の1に相当する50gの白米を同じ量の玄米にかえると、2型糖尿病のリスクは16%低下します。
良いことばかりのように思える玄米ですが、苦手な方も多いようで、その理由で多いのが硬さ(食感)。えぐみや匂いが気になるという人も少なくないようですね。
そんな方はぜひ「もち米玄米」を試してみましょう!
聖マリアンナ医科大学代謝・内分泌内科が、2型糖尿病患者を対象に行った研究によると、「もち米玄米」が血糖コントロールを改善するのだそうです。米を主食とする私たち日本人にとってはとても嬉しい情報ですよね。
2型糖尿病患者を2つのグループに分け、それぞれ「精白米」と「もち米玄米」を8週間摂取してもらった結果、「もち米玄米」を摂取したグループでは、24時間平均血糖値と食後血糖値が改善することが明らかになりました。
またアンケートを行った結果、おいしさを示すスコアは、白米、玄米と比べ「もち米玄米」が最高値を示しました。研究者は「玄米食のパサパサとした食感を好まない人も多いが、もち米玄米のしっとりと柔らかな食感は日本人の好みに合っている」と述べています。
みなさん、いかがでしたか?たまきは全粒穀物を食べるだけでさまざまなメリットがあると知ってすぐに試したくなりました。今まで「玄米はちょっと苦手・・・」と思っていたあなたも「もち米玄米」をぜひ試してくださいね!
※引用元:糖尿病ネットワーク
「全粒穀物」が糖尿病リスクを低下 玄米を食べやすくする提案も - 2018年09月27日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2018/028484.php
[日本医療・健康情報研究所] Copyright © 2018 Soshinsha.