今回は「摂取する食品種類と死亡リスクの関係性」について、こんな記事をご紹介いたします。
健康を気遣った食事というと、【複数種類の食品をバランスよく摂ることが大切】、というイメージがありませんか?以前は、「1日30品目」なんていう言葉もよく耳にしましたよね。
日本を含む多くの国では、「多様な食品を組み合わせて、食事をバランスよく摂取する」ことが推奨されています。しかし実は、摂取する食品数と死亡リスクとの関連については、明らかになっていないことも多いのです。
今回は、「多様な食品を摂取することは健康にとって良いのか」、という点について研究結果とともにご紹介します。
国立がん研究センターなどの研究グループは、40~69歳の日本人男女約8万人に対して調査を実施。具体的には、1日に摂取する食品数によって対象者を5つのグループに分類し、14.9年の追跡期間中に発生した死亡(全死亡・がん死亡・循環器疾患死亡・その他の死亡)との関連を調べました。
その結果、女性のなかで、1日に摂取する食品種類がもっとも多いグループでは、もっとも少ないグループに比べて以下のように死亡リスクが低下しました。
・全死亡のリスク:19%低下
・循環器疾患死亡のリスク:34%低下
・その他の死亡のリスク:24%低下
食品摂取の多様性と死亡との関連
また、魚・肉・野菜など個別の食品群についても調査したところ、女性では大豆製品を摂取する種類が多いほど全死亡リスクの低下がみられました。
一方、男性では女性に比べ、アルコールの摂取頻度や喫煙率が高いため、それらが死亡リスクに与える影響が大きく、さらに摂取する食品のうち肉類が多いため全死亡のリスクが上昇する傾向があることから、明確な関連はみられませんでした。
食品摂取の多様性と死亡との関連
さらに、名古屋学芸大学の世界137ヵ国を対象とした研究では、国連の食物供給量のデータなどから、人口100万人以上の世界137ヵ国の食品の多様性をスコア化しています。
その結果、2010年のデータで比較すると食品の多様性が高い国ほど、健康寿命も平均寿命も長いことがわかりました。そして、国民1人当たりのGDP・高齢化率・医療費・食物エネルギー供給量・教育歴を調整して比較してもこの傾向は変わりませんでした。
<食品の多様性スコア順位>
1位:ニュージーランド
2位:日本
3位:スペイン
2010年度において日本の食品の種類の多さは世界137ヵ国中2位、健康寿命はもっとも長い結果となりました。研究グループによると、食品の多様性の指標が0.1増加すると、健康寿命は約4年延びると推定されるとのことです。
食材の種類が少なければ栄養素が偏りやすくなりますが、多くの種類の食材を摂ると栄養素が充足するため、疾患の予防ができたり、健康寿命が延びるということですね。
※引用元:糖尿病ネットワーク
1日に摂取する食品種類が多いと死亡リスクは低下 日本は食の多様性で世界2位 - 2019年05月20日
https://dm-net.co.jp/calendar/2019/029137.php
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