冬は湿度が低く、手肌が乾燥しやすい季節。そんな時期でも手もとを美しく保つには、どうすればいいのでしょうか。ハンドクリーム選びの3つのポイントや塗り方のコツを、美容の専門家に聞きました。
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まずは冬の手肌が乾燥する原因について。一番は外気やエアコンによる空気の乾燥ですが、触れる水の温度の高さも関係していると小塚さんは説明します。
「肌の表面は水分蒸発を防ぐ皮脂膜によって覆われていますが、手を洗う時などに熱いお湯を使っていると、皮脂膜が流され皮膚が刺激を受けやすくなってしまいます。夏と違い冬は水の温度設定を高くしていることが多く、それが手肌の乾燥やトラブルの原因になります。手洗いは、体温より低めのぬるま湯で行うようにしましょう」
さらに、洗剤にも注意が必要。
「季節を問わず手荒れの原因になりやすいのが洗剤です。できれば、食器洗いはグローブをはめてするようにしましょう。最近はゴム手袋以外にもさまざまな商品が出ていますので、アレルギーなどでゴム手袋がNGの方も自分にあったものが見つかるはずです」
原則は、トラブルが起きてからケアするのではなく、日頃から手肌を守ることを心がけ、健康な状態をキープすることです。
そんな手肌のケアに欠かせないのが、ハンドクリームです。小塚さんによると、ハンドクリームを選ぶ時のポイントは3つあります。
ポイント① 「保湿力」があるものを選ぶ
「乾燥しやすい冬は肌をしっかり保護するクリームを選ぶと安心です。セラミドやヒアルロン酸、ホホバオイルなど保湿の成分が入っているか確かめましょう。またあかぎれなど、すでにトラブルが起きてしまっている場合は、まずは適切な治療を行うことが重要です」
ポイント② 「使用感」を確かめる
「使う人の手肌の状態などによっても使用感は変わってきます。テクスチャーの好みも人によってさまざまです。使い心地はどうか、ベタつきなどの不快感はないか、自分の手に塗って実際に試してみるとよいでしょう」
ポイント③ 「用途」に適したものにする
「どんな時にハンドクリームを使うか考え、用途にあったものを選びましょう。職場や外出先で使う場合は、周囲への影響を考慮し香りが強くなく、持ち運びのしやすいものがいいでしょう。容量はワンシーズンで使いきれるサイズがおすすめです」
続いて、効果的なハンドクリームの塗り方についても紹介します。
■【基本編】ハンドクリームの塗り方
「冬場はクリームを手で温めてから使いましょう。手の甲にまんべんなくクリームを広げた後、指の関節部分のシワを伸ばすようにしっかり塗っていきます。爪の生え際も3~5回丁寧にクルクルとクリームを塗り込みましょう。最後に、手の甲をもう片方の手で包むようにハンドプレスして仕上げです。ハンドプレスは肌なじみをよくするだけでなく、べとつき感の軽減にもつながります」
ハンドクリームは小まめに塗るようにしますが、特に、水に触れる前後に意識的に塗ると肌の保護に効果的だそうです。
手の甲をおさえクリームを浸透(※)させる「ハンドプレス」
■【発展編】ハンドマッサージも兼ねてみる
時間に余裕がある時は、クリームを塗りながら手指のマッサージをしてみるのもおすすめです。
「いつもよりパール1粒くらいクリームを多めにとり、手の甲に塗り広げた後、指の付け根部分から指先に向け引っ張ります。指先や爪の生え際、指の側面にも圧を加えます。これを2~3回繰り返し、10本の指全てに行いましょう。毛細血管が多く集まる指先をマッサージすると、血のめぐりがよくなり、冷えの改善やむくみの軽減なども期待できます」
ハンドマッサージにはリフレッシュ効果も。
取材・記事 清水美奈