お口や歯がどんなふうにできているか、考えたことはありますか?普段の生活では意識することのないその構造や組織について、改めてまとめてみました。
お口は、歯・舌・口唇・口蓋(こうがい)・頬などで構成され、食べ物を咀嚼したり、話をしたり、表情を作ったりするためにとても重要なところです。
下のイラストを見てみましょう。お口の入り口には上下の唇(口唇)があり、左右の側面にはほっぺ(頬)、底には舌があります。お口の天井は上顎(口蓋)で、口蓋の前方には硬い硬口蓋が、後方にはやわらかい軟口蓋があり、その後部中央には口蓋垂が垂れ下がって、奥の咽頭へとつながっています。
歯は、大人では28本(親知らずを入れると32本)が馬蹄形に並んでおり、これを歯列弓(しれつきゅう)といいます。
唇の左右の端は口角と呼ばれています。口唇の運動には、口唇の周りを取り囲んでいる口輪筋や顔の表情を作る表情筋が関わっています。
歯を鏡で見てみると下の①のイラストのように見えます。ここから歯ぐき(歯肉)を取り除いたのが②のイラストです。歯ぐきの下には歯槽骨(しそうこつ)があり、歯を支えているのがわかります。歯ぐきと歯槽骨を透明にしたイラストが③です。歯には意外に長い根があることがわかりますね。この歯ぐきに覆われている歯の部分を歯根部(しこんぶ)といい、歯ぐきから出て目に見えている部分を歯冠部(しかんぶ)といいます。また、歯根部の歯の表面を根面といいます。
次に、歯の構造を詳しく見ていきましょう。
歯はエナメル質、象牙質、セメント質という硬組織と歯髄から構成されています。