今回は「脂質と炭水化物の制限」について、こんな記事をご紹介いたします。
食事療法として栄養バランスや総摂取エネルギーを考えることは大切ですよね。特にカロリーや糖質を意識される方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
みなさまはカロリーと糖質、どちらをより制限していますか?
カロリー制限と糖質制限のどちらが優れているのかという問題は、世界の医療従事者や研究者を悩ませている問題の1つです。
食事療法として、カロリーと糖質のどちらを制限すればより効果的なのでしょうか。研究内容とともに詳しくお伝えしたいと思います。
食事療法をめぐる論争では、「糖質は血糖値を上昇させる要因になる。糖質の摂取を適正にすれば、血糖上昇を抑えることができる」、また「糖質の摂り過ぎを抑えたり、全粒粉や玄米など精製されていない穀物を摂ったりすることによって、体重コントロールを改善し、2型糖尿病などの慢性疾患のリスクを下げるのに有利である」などの主張があります。
ハーバード公衆衛生大学院の研究チームが発表した論文では、
「三大栄養素である、たんぱく質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)の構成比を示す「PFCバランス」については、すべての人に最適化したシンプルで共通化したものは存在しない。食事療法のコンセンサスを得るための新たな戦略は、脂質や炭水化物の摂り方をコントロールすることと、食事療法を患者1人ひとりに合わせて個別化することだ。」と述べています。
脂肪と炭水化物の摂取について、これまで食事ガイドラインで指摘されている大きなポイントは3つあります。
(1)脂肪の過剰摂取は、2型糖尿病、心疾患、がんの発症リスクを上昇させる。これらのリスクを軽減するために低脂肪食が勧められる。脂肪の制限により摂取カロリーを減らしやすくなる。
(2)吸収の早い炭水化物を摂取すると、代謝に悪影響があらわれる。低炭水化物ダイエットは、短期間で体重減少をもたらし、血糖コントロールを改善するという報告がある。
(3)食事から摂取する脂肪と炭水化物について、相対的な量を気にするより、どのような脂肪や炭水化物を、どの食品から摂取するかに注意を向けた方が良い。
ほとんどの人は食事の質に注意を向けることで、「脂肪:炭水化物」の割合を変えずに、健康的な食事を維持することが可能だとしています。
栄養についてはさまざまな議論がある中、ルートヴィヒ教授らは食事療法にも今後バージョンアップが必要だと指摘しています。
食事療法として、カロリーや糖質を制限するだけではなく、自分に合わせた脂質や炭水化物の摂り方をコントロールすることが大切ですね。たまきも、ただ「〇〇ダイエット」として食事を制限するのではなく、栄養バランスも考えていきたいと思います!
※引用元:糖尿病ネットワーク
糖尿病の食事療法にも変化が必要 「カロリー制限 vs 糖質制限」どちらが良いのか? - 2019年04月05日
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2019/029031.php
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