まだうまく話せない赤ちゃんと簡単な手話やジェスチャーでお話しする「ベビーサイン」。1980年代にアメリカ・カリフォルニア大学で研究されたこの育児法の普及を目指し、日本ベビーサイン協会を立ち上げたのが吉中みちるさんです。前回はベビーサインを通してみる「赤ちゃんとのコミュニケーション」について伺いました。今回はベビーサインの教室プログラム内で実施した「SODATECO(ソダテコ)」とのコラボ企画の反響についてお話しいただきます。
監修者プロフィール
――「ソダテコ」と「ベビーサイン」の取り組みを実施する中で、「ソダテコ」の商品コンセプトに共感する部分はありましたか?
おくちとおなかとおはだの環境を整えるという部分は、お母さんが赤ちゃんにおこなうお世話として、とても大切なところです。「ソダテコ」は、さらに心身の健康の発達のために「スキンシップ」や「コミュニケーション」も大切にされており、その点がべビーサインと共通していると感じました。
また、スキンシップやコミュニケーションは、お母さんと赤ちゃんが双方向で一緒におこなわないと成り立たないもの。そういう意味でも「やさいではぐくむスムージー」はベビーサインとの相性も良くて好評でしたね。
――どのようなところが良かったのでしょうか?
まずは「やさいではぐくむスムージー」の容器がかなりしっかりしているところです。赤ちゃんがひとりで持つとクシュっと潰してしまう紙パックタイプだと、「ちょっと待って!ひとりで飲まないで!」と、お母さんがあれこれ世話をやく必要がでてきます。
でも容器がしっかりしているので、お母さんも静かに見守りながら「上手に飲めてるね」と褒めてあげたり、「おいしい?」って聞いたり。ゆっくり会話をすることができるんです。実際に「やさいではぐくむスムージー」を飲んでいる時に、赤ちゃんから「なくなったからもっと欲しい」や「ストロー外れちゃったから入れて欲しい」といった、いろんなベビーサインが出てきて、いいコミュニケーションができていたようです。
さらに空き容器を使ったおもちゃを講師たちが考案したのですが、これもかなり好評でした。節分の時には海苔巻きを作ったり、ストロー落としを作ったり、水に濡れても大丈夫な素材なのでお風呂に浮かせて遊んだり。飲んでおしまいではなく、飲み終わったあともお子さんと楽しめるという意味でも、コミュニケーションの広がりがありました。
――「やさいではぐくむスムージー」に対する赤ちゃんたちの反応はいかがでしたでしょうか。
「やさいではぐくむスムージー」と「ベビーサイン」のオリジナル絵本を作成して、スムージーに使用されている野菜のサインを紹介しました。それを読み聞かせてからお子さんたちに飲んでもらいましたが嫌がったり、飲まなかった…みたいなことはなかったですね。逆にすごい勢いで飲んだり、「もっと」というベビーサインを出してくれたりという報告を受けています。
――「子どもは野菜嫌い」いうイメージがあったのですが、それは絵本やベビーサインの効果なのでしょうか?
そもそも大人が思うほど、子どもが野菜嫌いという比率は高くないのではないかと思うんですね。ただ、人間には「青っぽかったり、緑っぽいものは食べてはいけない」という防衛本能が備わっていて、色を見て「ちょっと考えようかな」ということがあるみたいなんです。
教室内では、絵本を見せて「今から飲むスムージーの中にはこんなものが入っているよ」と楽しくお話しながら「ブロッコリーだね」「ニンジンだね」ということを伝えてから「さあ、今からみんなで飲むよ」という流れをとりました。ですので、赤ちゃんなりに頭の中でイメージができて安心してゴクゴク飲めたのではないかと思います。
前回とあわせてベビーサインについていろいろお話させていただきましたが、私たちが暮らす社会を構成する最小ユニットは家庭です。社会の幸せはこの最小ユニットである家庭が幸せであること、私たちはそう考えます。
そのためには、各家庭でベビーサインを使って赤ちゃんの頃から笑顔いっぱいのコミュニケーションを体験した子ども達を増やすこと。
そんな子ども達が大きくなって、社会を担っていくようになるとステキな社会に繋がるのではないか、そんな思いをもちながら私たちは活動しています。
まだまだ認知度は低いですが「うちもベビーサイン習ったよ」「ベビーサイン、知ってる知ってる!」といった人が少しでも増えるように地道に広めていけたらと思っています。
取材・記事 クラブサンスター編集部