「予防」や「免疫」というキーワードに注目が集まる昨今、見逃せないのが活性酸素による害。あらゆる病気の原因になる活性酸素の影響をできるだけ防ぐための方法を医学博士の藤本幸弘先生に聞きました。
プロフィール
まず、活性酸素というのは、どのようなものなのでしょうか。
「簡単にいえば、体内の物質を酸化させる毒物です。現在、90%以上の病気の原因が実は活性酸素だとわかってきました。
呼吸によって取り入れた酸素の約1~2%は活性酸素になります。つまり私たちは、生きているだけで酸化するのです。
取り入れた酵素が酸化すれば疲労が発生し、細胞が酸化すれば老化し、遺伝子が酸化すればがん化します。また活性酸素は、糖尿病など現代人の病気にも深く関わっていることがここ十数年の研究でわかってきています」
活性酸素を防ぐことができれば、病気にならないだけでなく、老化も防げるということですね。呼吸などのほかにはどんな生成原因があるのでしょうか。
「活性酸素には主に、次の5つの生成原因があります」
1.生命活動に不可欠なATPエネルギー生成
2.紫外線
3.過緊張
4.ストレス(過度な運動なども含む)
5.食事(喫煙、飲酒なども含む)
「1は人間が活動するためのエネルギーを作る際に、ミトコンドリアで発生します。2の紫外線は、日焼け止めや日傘、飲む日焼け止めなどによって活性酸素の発生を少なくすることができます。3の過緊張、4のストレスは、日ごろからできるだけこれらをやわらげ、うまく付き合っていくことが必要です。5の食事は、毒素を摂り入れないこと。酸化した油や食品添加物などに注意しましょう」
紫外線をしっかりと防ぎつつ、できるだけリラックスして過ごし、害のある食べ物を摂らないこと。生活習慣を変えることが、活性酸素による悪影響を受けず、健康でいることにつながります。
では、活性酸素による害を防ぎながら、免疫力を高めるには毎日の食事でどのようなものを摂ったら良いのでしょうか。
「タンパク質や脂質などの『守りの栄養素』と、『攻めの栄養素』の抗酸化物質の二段構えでバランスよく食べることが、活性酸素から身を守り、免疫力を低下させないためには重要です。守りの栄養素と攻めの栄養素はそれぞれ、以下のようなものになります」
・たんぱく質
皮膚や免疫細胞の材料
・脂質
細胞膜やホルモンの材料
・糖質
脂質をうまく使うために必要。ただし摂り過ぎないこと
・ビタミンA
皮膚、粘膜の上皮細胞の形成
・ビタミンC
パプリカ、ピーマン、菜の花、ブロッコリーなどに多く含まれる
・ビタミンE
植物油や種実類に多く含まれる
・コエンザイムQ10
肉や魚に多く含まれる
・αリポ酸
レバーや緑黄色野菜に多く含まれる
・フィトケミカル
野菜や果物の色素や香り、辛味、苦味などに含まれる機能性成分
「攻めの栄養素の中でも特に、ビタミンCは体液の酸化を防ぎ、ビタミンEは細胞膜の酸化を防ぎます。
フィトケミカルは、自分では動くことができない植物が、紫外線などから身を守り、生き延びるために身につけた成分で、それは人間にとっても同様に有効だといわれています」
栄養バランスの良い食事を心がけながら、野菜ジュースなどで「攻めの栄養素」をプラスアルファすることで、より免疫力を高める食生活が送れます。
病気を寄せ付けないカラダでいるために、ぜひ毎日心がけましょう。
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毎日の食生活の中で不足しがちなものをぜひ取り入れてみましょう。
2020年7月1日公開、2022年1月31日更新
取材・記事 古屋美枝