年が改まり、新たにリフレッシュした気持ちで生活していきたいですね。心とカラダの健康に、家事や家計はとても関わってきます。そこで、今年こそ家事や家計を見直してみるのはいかがでしょうか。家計と家事はつながっているので、無駄遣いを減らすとものが減り、ものが把握できるから無駄な買い物が減る…という好循環が起こります。
お話を伺ったのは、家計管理と整理・整頓を徹底し、生活が劇的に変わったインスタグラマー・ののこさん。シングルマザーであることに加え、病気による入院などを経て再婚したものの、第二子の出産で切迫早産になり、それまでの仕事を退職。専業主婦になったところで、夫に300万円の借金が発覚してしまったそうです。ところが、そこから家事や家計を見直し、心もカラダも健やかになったのだとか!そんなののこさんに、家事と家計をスリム化する11のコツをお伺いしました。
監修者プロフィール
数年前までは部屋が散らかり気味で、家計の管理もできていなかったというののこさん。ところが、夫の借金が発覚してから家計管理をスタートし、引っ越しを機に整理整頓も見直すことに。
シンプルに暮らすためにはまず、部屋をすっきりさせることから、とののこさん。そのために、何からスタートすればよいのでしょうか。
1.ものの収納場所を決める
まずは、ものの場所を決めるところからはじめましょう。散らかっている部屋は、場所が決まっていないものや、決まっているはずなのに入りきらないものが多いのです。
「ものをしまう場所が決まっていないと散らかります。場所が決まっていれば、そこに戻すだけなんです」
最初の着手におすすめなのは、毎日脱ぎ着する洋服。女性は特に、シーズンごとに買い替えたくなり、種類が増えてしまいがちです。収納スペースを決めたら入る分だけにして、それ以外は処分しましょう。ののこさんは、小さなスペースと収納ケースに入るだけ、と決めたそうです。
2.入りきらないものは処分する
決めた収納スペースに入りきらなくなったら、収納を増やすのではなく、ものを減らします。
「決めたスペースに入りきらないものは処分します。服の数が減ると、どこに何があるかわかり、探す時間が格段に減ります。スペースが決まっていると買う量も減るからお金もかかりませんし、ものを大事にする気持ちも生まれました」
朝の洋服選びに時間がかかる人は、洋服が多すぎて把握しきれていないのかもしれません。
洋服は押し入れへ。左半分がののこさん、右半分が夫、と分けているそう。(ののこさんのInstagramより)
3.新しく買うなら、古いものを捨ててから
洋服以外も、基本的には同じやり方です。「入る分だけ」と決めていきます。
子どものおもちゃも同様です。収納場所を決めて「ここに入る分だけ」という約束に。新しいおもちゃが欲しい時には、今持っているいらないものを捨ててから。ののこさんの4歳の息子さんも、ちゃんと身についています。
4歳の子どものおもちゃは引き出しふたつ分と決めています。
4.床にものを置かない
ものの場所を決めると、床にものを置かないようになります。床に何もなければ、掃除機をかけるのはとても簡単。片付けをすることなくすぐに掃除に取り掛かれるので、気持ちが楽になるはずです。
「以前はものが散らかっていて掃除もおっくうでした。整理整頓できるようになると、暮らしがシンプルで快適になります。買い物をしてものが増えると、お金は減って、シンプルな暮らしもできなくなりますよね。欲しいものがあっても、快適な生活と引き換えにするほどではない、と考えられるようになり、物欲も減りました」
5.食品はできるだけ立てて収納
キッチンの収納も、入る分だけという基本は同じ。さらに、積み上げるのではなく立てる収納がおすすめです。
「積み上げると下の方に埋まって賞味期限が切れたりするので、ファスナーケースに入れて立てるように収納します。半透明なので中身が見やすくて便利です。持っているのに買ってしまうこともなくなります」
キッチンの小物や食品は、ボックスに分けて収納。
小さなものは半透明のファスナーケースに入れて立てる収納に。
6.冷蔵庫はボックスで分ける
冷蔵庫をいっぱいにしていると、奥の方から忘れていた食材が出てくることも。余裕をもって、必要なものだけに絞りましょう。
「小さなボックスで小分けにして収納すると、奥のものも取り出しやすくなります。また、ボックスごと取り出せばいいので、冷蔵庫を開けっぱなしにしていろいろ探すようなこともなくなります」
冷蔵庫はあくまで余裕を持って。ボックスに分けておけば奥のものも取り出しやすい。
7.仕事帰りの買い物はせず、週末にまとめ買い
買い物は、計画的にすると無駄が減ります。仕事帰りに思い付きでスーパーに寄ると、疲れて判断能力が鈍ったり、自宅にあるものを把握していなかったりして必要のないものも買ってしまいます。
「買い物前には必ず冷蔵庫をチェックして1週間の献立を考え、買い物リストを作ってからまとめ買いをしておきます」
買い物に行く時には、必ず買い物リストを書いてから。
8.平日の時間節約のために作り置きをしておく
まとめ買いをしたら、時間のあるうちに下ごしらえをしておきます。
「下味をつけて冷凍したり、作り置きをして冷蔵庫へ。献立を考える時に煮詰まったら、自分のInstagramを見直し、バリエーションを思い出しています」
作り置きは毎週2~3時間かかるのでその時はやや大変。でも、「平日に時間の余裕を作るため」と考えると続けられるそうです。
「週の後半に材料が足りなくなったら買い足すこともあります。まとめ買い以外でも、買い物リストを持っていくのがコツ。牛乳だけを買いに行ったら、ほかのものは決して買いません。誘惑に負けないようにしています」
家事を改革する前は、時間が足りなくてせっかちでピリピリしていたというののこさん。時間に余裕ができて、食材も見える化すると、心にゆとりができ、健やかに過ごせるようになるのですね。
カラフルな作り置き(ののこさんのInstagramより)
9.生活費は現金化して小袋に分ける
ののこさんの家計管理で特徴的なのは、すべて現金化して小分けにするところ。
「お給料が入ったら、支払いを引いた額を現金にして『食費』『日用品費』『お米費』『ガソリン費』『予備費』の5項目に分けます。最初に小分けにすれば、その中でやりくりすればいいので実は楽。月に2回だけ、まとめて家計簿を付けます」
家計は分類して小袋へ。使う時はそのままパスポートケースへ入れて持ち歩きます。
買い物の時にはそのまま持っていくのだそう。また、クレジットカードなどを使ったら、使った項目の袋からクレジットカード用の袋に現金を移動します。
10.先取り貯金とボーナスの計画で気持ちもラクに
「先取り貯金」でお金を貯め、予定外の出費にも備えています。
「給料日に現金を振り分けした後、残りを貯金します。また、1ヶ月経って最後に残った分も貯金します。加えて、賃貸の更新や自動車保険、14歳の娘の夏期講習など大きな出費には、夫のボーナスが出た時におおよそ半年分の計算をしておく。心構えができているので、慌てることがないんです」
11.家族も巻き込んで定期的に家計を見直し
日々の家計のほか、携帯電話を格安にしたり、保険の見直し、電気会社の乗り換えなど、定期的な固定費の見直しも大切。ののこさんは月に2回ほど、夫婦でお金のことを話すそう。
「ただ『協力してほしい』というんじゃなくて、家族も一緒に参加している、という感じにするといいと思います」
現在の様子からは想像もつきませんが、以前はお金のことを「見ないようにしていた」というののこさん。それでも、ずっと不安感があったのだそう。見える化したことで不安が減り、家族の意識も変わりました。
「本当に必要か?と、私だけじゃなく子どもたちも考えるようになってくれています。無駄遣いをしないので、本当に必要であれば金額の大きいものも買えるようになりました。夫婦の間も見栄っ張りで大きく見せたかったんですが、隠さなくなってお互い丸くなりましたね」
著書『スッキリ家事でお金を貯める! ~2児ママが1年で130万円貯金できた40のワザ』(小学館)
家事と家計をスリムにして見える化することで、時間とお金にゆとりができるだけでなく、精神的にも楽になったというののこさん。できるところから取り入れれば、心やカラダも健やかに整っていきそうですね。
取材・記事 栃尾江美
撮影 石原敦志