会員さんからお悩み質問BOXに寄せられた質問にお答えします。今回は多くのみなさんから寄せられた「歯の着色汚れ」に関して、編集部がピックアップしたご質問をサンスター財団の歯科衛生士土本さんにお答えいただきました。
担当者プロフィール
「コーヒーや紅茶が好きで毎日飲んでいます。定期的に歯科医院で歯石を取っていますが、歯の着色汚れが気になります…。何かおすすめの対策はありますか?」(50代・女性)
同じ悩みを抱えている方からの声、質問ボックスにたくさん届いていました。歯の汚れは気になっても、大好きなコーヒーや紅茶は、なかなかやめられないですよね。
実はコーヒーや紅茶に限らず、ポリフェノールを多く含むものは着色汚れ(ステイン)の原因になりやすいといわれています。
ステインのない歯を保つためには、付着したステインが強固になる前に除去することが重要。なるべくその日のうちに落とすことを心がけましょう。(すべて除去できるわけではありません。)
日頃から簡単に取り入れられる方法としては…
①飲み物や食べ物を口にする前後にお水を飲む
歯の表面が乾燥していると、ステインが付きやすくなります。
②飲み物を飲む時はストローを使う
カフェだけでなく、お家でも実践できるとベスト。できるだけ飲み物が歯に触れないように。(環境のためにマイストローがあるといいですね♪)
③食事の後はできるだけ早く歯みがきを
外食中や時間がなくて難しい時は、水でうがいをするだけでも着色汚れを防ぐ効果があります。
④ステインが付きにくくなるハミガキペーストを使う
歯の表面をステインが付きにくくする成分でコーティング。毎日の歯みがきが着色汚れの対策に。
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質問者さまは定期的に歯科医院で歯石を取っていらっしゃるとのこと。お口のケアをしっかり意識されていて素晴らしいですね。歯石取りに加えて、歯の表面のクリーニングをしてもらうと着色汚れに効果的です。もし実施されていなかったら歯科医院で相談されてみてはいかがでしょうか。
続いてのご質問です。
「年齢とともに歯の黄ばみが気になるようになりました。ハミガキペーストでしっかりみがいても、なかなか改善せず、見た目がとても気になります。毎日、どう歯をみがけばいいのでしょうか?」(50代・女性)
年齢にともなう歯の着色のお悩みですね。しっかりみがいていてもなかなか真っ白にはなりませんよね。
まずは歯の構造からお話させてください。
歯は主体となっている「象牙質」を、「エナメル質」が覆う構造になっています。エナメル質は半透明なので、その内側にある象牙質が透けて見える形になります。この象牙質、個人差があるものの、もともと黄色みを帯びています。そして、年齢とともに歯の表面のエナメル質が薄くなることで、内側の象牙質の色が透けて、より黄ばんで見えることがあります。
なので、歯の黄ばみが気になってゴシゴシと強くみがいてしまうのは逆効果。歯を傷つける原因にもなります。まずは適切なブラッシング圧で、正しく歯をみがくことをマスターすることが大切です。
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また、長い年月を経て着色した歯を白く明るくするには、歯科医院でのホワイトニングも有効です。漂白効果のある薬剤を歯の表面に作用させることでエナメル質内の色素を分解し、歯の明度を上げることができます。しかし、一方で知覚過敏の症状が一時的に出てしまうという面も。(一過性で改善が見られます。)ご質問者さまの歯の状態にあわせて無理のない方法を試されるのがよいと思いますので、一度歯科医院でご相談されることをおすすめします。
それでは、最後のご質問です。
「歯並びが悪いので、歯みがきに時間をかけてもなかなかきれいにみがけません。着色汚れも目立ちます。現在ホワイトニング専用のハミガキペーストを使ってますが、付いた着色はきれいになりますか?また日頃、注意したほうがいいことがあれば教えてください」(50代・女性)
歯並びによってみがきにくい所は、プラーク(歯垢)の残りや着色汚れが特に気になりますよね。実は、ハブラシだけでは歯と歯の間の汚れは約6割しか落とせておらず、着色汚れのもととなるステインも残りやすいんです。
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ご質問者さまはタフトブラシやデンタルフロスなどは使用されていますでしょうか。タフトブラシとは、毛束がひとつだけの先の尖ったハブラシのこと。普通のハブラシではみがきにくいお口の奥や、隙間などの細かい部分をみがくのに適しています。歯並びが悪い箇所にもおすすめです。
また、デンタルフロスには着色除去パウダーをコーティングし、ステインを落としてくれる商品もあります。
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また、歯科医院での定期的なクリーニングも大切です。歯科医院では、細かい所まで着色除去できる機械を導入している場合もありますので、定期健診などでご相談されてみてはいかがでしょうか。
ご自身の歯並びや歯の状態にあわせた+αアイテムでの“セルフケア”、歯科医での定期的な“プロケア”の組み合わせで、質問者さまの着色汚れのお悩みが少しでも改善されることを願っております。
お悩みを投稿いただいたみなさん、貴重なご意見ありがとうございました! 引き続き、「お口のお悩み 質問ボックス」へのご投稿をお待ちしております。
取材・記事 クラブサンスター編集部