2018年3月、アメリカで国際アレルギー学会が開催されました。
テーマとなったのは、地球環境変化と呼吸器健康について。地球環境が変化し温暖化が進んだことにより、花粉やダニが増加。それによって、花粉症や喘息等のアレルギー症状に悩む人が増えていることが世界的な課題になっています。
学会では、アレルギー性喘息の治療において、アレルゲン対策の室内環境整備を行うことの有効性が説かれました。
学会で報告された研究の一例は以下のとおりです。
このように、専門家の指導を受けながら環境整備を行うことで、アレルギー症状緩和が期待できます。さらに、症状が緩和されることで医療費削減や通院回数の低減に繋がる可能性もあります。
では、室内環境はどのようなアレルゲンにさらされているのでしょうか。
喘息やアレルギーを引き起こすアレルゲンのひとつが、ダニです。高温・多湿な気候のため、日本の住宅内はダニアレルゲン量が多い環境。各国の寝具中のダニアレルゲン量を比較した下図を見ても、その差は一目瞭然です。
日本では、多くの家庭にある寝具が喘息発症のリスクがあるとされる10μg/g dustよりも多いダニアレルゲン(Der 1)に汚染されています。地域や生活文化の違いで、家の中のアレルゲンにも違いが発生します。
また、花粉症の原因となるスギやヒノキ等の花粉も、窓の開閉によって侵入したり、外出先から帰宅する際に持ち込まれたりして室内に蓄積していきます。
さらに、ペットを飼っている家庭は、高濃度のペットアレルゲンにも暴露されています。
ダニ、花粉、ペットアレルゲン…上記のようにさまざまなアレルゲンを含んだハウスダストが、私たちの室内環境には存在しています。特にダニの住処となる布団・カーペット・布製ソファーや、花粉が入ってくる玄関・窓際のマットやカーテンは重要なポイントです。
だから掃除や洗濯、ハウスダストに含まれるアレルゲンを無力化するスプレーなどを使って、重点的にハウスダスト対策をすることが、アレルギー症状緩和のためには大切なのです。