小さなお子さんがいるご家庭にとって、「毎日、歯をみがくこと」の習慣化は簡単ではありません。特に1~2歳児はイヤイヤ期も重なり、仕上げみがきをするだけで親子ともどもヘトヘトに…。
そんな時、歯や歯みがきに関する「絵本」を取り入れてみてはいかがでしょう。絵本のプロに「毎日の歯みがきが楽しくなる絵本」ををおすすめしていただきました。定番の作品から知られざる名作まで5作品をご紹介します。
監修者プロフィール
人生100年時代、サンスターが目指すのは、「お口の健康を起点とした、全身の健康と豊かな人生」。毎日の習慣である歯みがきは、お口の健康を守るだけでなく全身の健康を守ることにもつながっていきます。
特に1~2歳は歯が生え始めるとても大切な時期。この時期に「歯みがきって楽しいよ」と習慣づけることで、幼少期からお口のケアの重要さを伝えていくことができます。
今回は、絵本情報サイト「絵本ナビ」編集長の磯崎さんがおすすめする、歯が生え始めたばかりのお子さんが、「毎日の歯みがきが楽しくなる絵本」をご紹介します。今歯みがきが嫌いな子でも、絵本をきっかけにして歯みがき時間がもっと楽しくなれば、元気で健康な身体を守ることにつながるでしょう。
1. お口をあーんと開けちゃおう!『はみがきれっしゃ しゅっぱつしんこう!』
『はみがきれっしゃ しゅっぱつしんこう!』くぼまちこ 作 アリス館
最初にご紹介するのは、「絵本ナビ」のユーザーさんだけでなく、編集部の皆さんからもダントツ人気の絵本『はみがきれっしゃ しゅっぱつしんこう!』です。
歯みがきが嫌いなお子さんにとって最初の関門は、お口を「あーん」と開けられるかどうか。ところがびっくり!この絵本の中に登場するハブラシは、みんなのお口をあっという間に開けてしまうのです。なぜなら、彼の名前は「はみがきれっしゃ」。しゅっしゅっしゅ、しゅっぱつしんこう!でお口の中に入っていき、前の歯、奥の歯と次々に歯をきれいにみがいていくのです。
2.リズムに乗って、陽気に歯みがき!『ノンタンはみがきはーみー』
『ノンタンはみがきはーみー』キヨノ サチコ 作・絵 偕成社
2冊目にご紹介するのは、パパやママが子どもの頃からの人気者 ノンタンが登場する歯みがき絵本『ノンタンはみがきはーみー』。ノンタンと一緒に「イイイのイー」の顔をして、はみがきはーみー、しゅこしゅこしゅっしゅ。うさぎさんもイイイのイーして、はみがきしゅっしゅ。明るいリズムに乗せられて、いつの間にかみんなの歯もピッカピカ!毎日の歯みがき時間が楽しみになる一冊です。
3.遊びながら生活習慣に。『おでかけ版ボードブック はみがきあそび』
『おでかけ版ボードブック はみがきあそび』きむら ゆういち 作 偕成社
3冊目は、めくりの仕掛けで次々に歯みがきする姿を見せてくれる『おでかけ版ボードブック はみがきあそび』。きむらゆういちさん「あかちゃんのあそびえほん」シリーズのひとつで、シリーズ累計1300万冊も超えるロングセラーです。キャラクターたちがごちそうを食べた後、ハブラシでお口の中をシャカシャカ、シュッシュとする様子を、めくったり、戻したりして遊びながら追体験できます。小さな子どもたちも、きっと歯みがきに興味を示してくれるでしょう。
絵本を全部楽しんだ後は、自分も真似っこして、ゴシゴシ、シュッシュ。うがいをしたら、お口の中はスッキリきれいになりますね。
4.やさしいハブラシくんは、みんなのお友達。『はぶらしくんです。』
『はぶらしくんです。』とよた かずひこ 作 童心社
4冊目は、子どもたちの身近な存在であるハブラシを擬人化し、その仕事ぶりを紹介する『はぶらしくんです。』。
主人公は歯みがきをお仕事とするプロフェッショナルで、かっこいい はぶらしくん。上の歯さんから順番に、「こんにちは」と声をかけながら「しゅしゅしゅしゅ しゅっしゅ」心地良いリズムで、子どもたちのお口の中を、やさしくやさしく、しっかりとみがいてくれます。
5.一生のお友達として、歯と仲良く。『にゅうしちゃん』
『にゅうしちゃん』Minchi 作・絵 岩崎書店
最後にご紹介するのは、「乳歯」をお友達として描くという、驚きの設定ではじまる絵本『にゅうしちゃん』です。
帽子をかぶり、スタイをつけたにゅうしちゃんは、なんとも可愛く魅力的なキャラクター。主人公のおーちゃんとにゅうしちゃんは、仲良く遊びながら一緒に成長していきます。おーちゃんの成長とともに全部のにゅうしちゃんたちが勢ぞろいし、最後にはさよならをしていく様子まで描かれます。お子さん自身が“歯”に親しみを持てるようになる一冊です。
①編集部Aさん親子『ノンタンはみがきはーみー』
“仕上げみがき”が嫌いな2歳の息子さんにいつも逃げられているという編集部Aさん。「楽しくやろうと思っても最終的にはいつも羽交い絞めで強引にしている…」と普段から苦労している様子…。今回は、5歳のお姉ちゃんと3人で一緒に、『ノンタンはみがきはーみー』を読んでみました。
「しゅこしゅこ、しゅっしゅ」とリズミカルなワードに合わせて、「しゅっしゅ!」と一緒に言ったり、動物がたくさん登場するので「たぬきさん~!ぶたさん~!」と動物にも注目して読んでいました。
もうすぐ5歳になる娘は字が読める様になってきたので、繰り返しの多い絵本は読みやすいみたいです。弟に読んであげたり、「◯◯くんも、イーして!」とはみがきのまねっこをしたり楽しそうでした。
リズミカルなワードが繰り返されるので、1歳以下の小さいお子さんでも楽しめそうだなと思いました。歯みがき時間も絵本の様に「しゅこしゅこ、しゅっしゅ!」と声掛けしながら“仕上げみがき”してみようと思います!
②編集部Nさん親子『にゅうしちゃん』
娘さんは2歳になった頃から、自らごろ~んと仰向けになり“仕上げみがき”をさせてくれるようになったという編集部Nさん。ただ、「お口を大きくあける」のが苦手で、中が見えづらいこともあり、試行錯誤中とのこと。今回は、一緒に『にゅうしちゃん』を読んでみました。
子どもの歯(乳歯)を〝20人兄弟のおともだち″として描かれている絵本。
娘は、初めて読んだ時から気に入ったようで 「よんでよんで~」と繰り返し持ってきました。「おくちのなかって、にゅうしちゃん いっぱいね~」と、歯の本数にまで興味を持っていたのは、今まで読んだことのある “歯みがき絵本” にはなかった新しい反応でしたね。
「歯の情報」についても、かなり詳しく描かれているので、長い期間に渡って一緒に楽しめそう。一日の終わりに読むと、とっても可愛い「にゅうしちゃん」にホッと癒される効果もありました。
実際に歯みがきするときも、「にゅうしちゃん 見せて~」なんて声がけしながら、楽しい歯みがき時間を過ごしています。
歯みがきって楽しい、自分の歯を大切にしよう。
お子さんの気持ちに寄り添う一冊があれば、毎日の歯みがき時間がもっと楽しく過ごせるようになります。絵本を通じて、ハブラシ、歯などいろいろな視点から歯みがき習慣を見直すことができるので、パパやママにとっても、改めて歯みがきの大切さを感じることができるでしょう。
絵本のプロが選んだ歯みがき絵本リスト、いかがでしたか?
ぜひ、コメント欄に「私もこの絵本読んだことある!」「これから読んでみたくなった」「うちの子はこの絵本がお気に入り」「こんな絵本もおすすめ!」などあれば教えてください。
お子さんのお口の健康、そして豊かな人生のために。歯みがきが楽しくなるとっておきの絵本を見つけていただけると嬉しいです。